• 日々の暮らしにいつでも花を。そんな、“日常花”を提案する平井かずみさん。チューリップ、ヒヤシンス、スイセン……春先になると花屋さんの店先に登場する球根花は、花との暮らし初心者でも気軽に手にとれる、扱いやすいものが多いそう。お世話するうえで難しいことはとくにないけれど、より長くその美しさを楽しむ小さなポイントを、平井さんが伝えます。

    生命力あふれる球根花は、門出の春にぴったりです

    家に花を飾る。それは、特別なことでありません。「日々の暮らしにいつでも花を」……そんな、“日常花”を提案する平井かずみさんによると、この時季は、花との暮らしをはじめるには、よいタイミング。なぜなら、球根花にたくさん出会うことができるから。

    「土の中で何年も栄養を蓄えて花を咲かせる球根花は強い生命力あふれていますから、私たちがほとんど手を貸すことなく、元気にかわいらしい花を咲かせてくれます」

    生けた花に元気がなくなってしまう原因の多くは、水あげがうまくいかないから。ところが球根花は、水を吸い上げる力が強く、その心配が少ないのです。

    ただ、水あげがよいだけに、他の花とは少し違う工夫を施すと、より長くその美しさを楽しめます。

    球根花と仲良くなるための、ちょっとしたコツ

    1:茎先はまっすぐ切る

    ほとんどの草花は、花が水を吸いやすいよう、水に接する面積を増やすために茎は斜め切りにします。けれど、水あげの力が強い球根花の場合は、茎はまっすぐに切るのがおすすめです。

    「斜めに切ってしまうと、柔らかな茎が割れてきてふやけてしまいます。また、水が濁る原因にもなってしまいます」

    2:皮をむいてもきれい

    球根からすくすくと伸びるように咲く球根花のなかには、スイセンやリューココリーネように花のところに薄い皮のようなものがそのまま残っている場合もあります。

    「皮をむくか、むかないかは好みですが、私は季節に寄り添って考えています。まだ春浅い頃には、冬の名残のように殻をそのままにすると季節感が出ますし、より春めいてきたら、皮を取り除いてすっきりとフレッシュに見せるのも外の季節と似合うと思うんです」

    また、初心者が迷いがちなのが、花器に入れる水の量。球根花の場合は、器の1/5〜1/4程度、茎先に水がつかれば問題ありません

    「水につかった部分の茎色が変色してしまうので、球根花に関しては、少なめの水量を心がけて」




    <スタイリング/平井かずみ 撮影/有賀 傑 取材・文/福山雅美>

    平井かずみ(ひらい・かずみ)
    フラワースタイリスト。インテリアショップ勤務を経て、挿花家・谷匡子氏に師事。“しつらえる”という感覚を大切に、暮らしのなかに季節の草花を取り入れる「日常花」を提案。花の教室やリース教室を全国各地で開催。雑誌や広告、イベントでのスタイリングや、ラジオやテレビなど多方面で幅広く活躍中。著書に『花のしつらい、暮らしの景色』『あなたの暮らしに似合う花』(ともに扶桑社)、『フラワースタイリング ブック』(河出書房新社)、『季節を束ねるブーケとリース』(主婦の友社)などがある。
    https://www.hiraikazumi.com/

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    『花のしつらい、暮らしの景色』(平井かずみ・著)

    天然生活の本
    『花のしつらい、暮らしの景色』(平井かずみ・著)

    『花のしつらい、暮らしの景色』(平井かずみ・著)

    A5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN:9784594083748

    『あなたの暮らしに似合う花』(平井かずみ・著)

    天然生活の本
    『あなたの暮らしに似合う花』(平井かずみ・著)

    『あなたの暮らしに似合う花』(平井かずみ・著)

    B5変形判
    定価:本体 1,700円+税
    ISBN:9784594083786



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