• ベランダ、窓辺、玄関といった狭いスペースであっても、日当たりがよければ簡単に野菜がつくれる袋栽培。今回は、栄養満点でそのまま食べても調理してもおいしい、エダマメの栽培方法をご紹介します。
    (『袋栽培でかんたん野菜づくり』より)

    夜になると葉が眠る「エダマメ」

    エダマメはマメ科に属し、ダイズの実(豆)を若いうちに収穫して枝をつけたままで売られるためにエダマメ(枝豆)と呼ばれています

    ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む栄養価の高い野菜の一つです。

    エダマメの葉は、昼間は正常に展開しますが、夕方5時頃には葉が下の方向に傾き始め、暗くなる7時頃にはほぼ垂直に垂れ下がります。これは葉が眠る現象で「就眠運動」と呼ばれています。

    その様子は、とても不思議で観察すると面白い野菜です。

    種まき・植えつけ

    画像1: 種まき・植えつけ

    エダマメは4月中旬から種まきをします。種まきから収穫までは、早生種では80日程度、晩生種では100日程度です。

    エダマメは収穫して2日経つと味が変わってしまうので、種まきを6月上旬まで数回に分けて行うと、何度も収穫できます。

    ポリポットヘの種まきが簡単です。ポリポットに培養土を9分目程度入れ、指で1cmほどの深さに穴をあけて、その穴に1ポットに1個の種を横向きにして置き、その上に土をかぶせ水やりをします。

    画像: 鳥に食べられないように、種まき後は寒冷紗などで覆う

    鳥に食べられないように、種まき後は寒冷紗などで覆う

    種まき後、ハトなどの鳥に食べられることが多いので、種をまいた後は寒冷紗などで覆う方が安全です。ポリポットに種まきして、本葉が3枚以上に展開した頃に、1袋に2~3本の苗を植えつけます。

    画像2: 種まき・植えつけ

    DATA
    連作
    3年やすむ

    発芽適温
    20~35℃

    生育適温
    20~25℃

    適切な袋の容量
    30リットル

    袋の適した置き方
    縦向き

    栽培管理と収穫

    画像: 栽培管理と収穫

    摘心

    定植後、本葉が4~5枚展開した頃に主茎の芽の先を摘み取り(摘心)、多くの側枝を伸ばすようにします。

    摘心をすると、摘心をしない場合よりもマメをつける枝がふえるので、エダマメの収量が増加します。また、エダマメにはカメムシがつくことがあるので、見つけたらすぐに取り除きます。

    早生の品種「富貴」は、種まき後80日程度で収穫できます。さやのふくらみが目立ち、さやを手で押さえてみて、中のマメがはじけて飛び出るようになったら収穫適期です。

    根ごと株を掘り取るか株元を剪定ばさみで切って収穫します。

     

    本記事は『袋栽培でかんたん野菜づくり』(秀和システム)からの抜粋です


    梁川 正(やながわ ただし)
    農学博士。京都教育大学名誉教授。京都教育大学環境教育実践センターにおいて、野菜や花卉、イネ等の栽培指導や、栽培植物の残渣を堆肥として利用する「食の循環の教育」の指導を行う。研究面では、球根花卉やラン等の組織培養によるウイルスフリー化や無菌培養の簡便化に関する研究を推進。退職後は、各種公開講座や園芸大学等で、袋栽培で野菜や花卉を育てる方法やその楽しさ、容器等で簡便に育てる活動の普及に努めている。



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