(『季節を味わう 保存食手帖』より)
煮沸について
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保存食は基本的に、煮沸消毒した容器に保存します。ビンなどの保存容器を15分ほど煮て、乾いたふきんの上で乾燥させ、消毒します。
ビンの種類にもよりますが、熱湯に急に入れると割れてしまうものもあるため、ここでは、水から徐々に温めていって煮沸する方法をとっています。保存容器の使用方法をよくご確認のうえ、作業してください。
ジャムなどの場合は、煮沸消毒したビンに詰めてふたをしたあと、熱湯で15分ほど煮てからふたを強く閉め直して裏に返して冷まし、脱気します。
基本的な煮沸の方法
1 大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、ビンとふたを沈めて火にかける。沸騰したら火を少し弱め、15分ほど煮る。
![画像1: 基本的な煮沸の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/0a32650925a039b395f4f06b0eeb26059792006c.jpg)
2 菜箸等で引っ掛けるようにして取り出す(トングなどでもよい)。
![画像2: 基本的な煮沸の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/1eb72517fd30ff347fb17414affdb6d582c97132_xlarge.jpg)
3 ふきんやざるの上に裏返して置き、水気をきる。手で触らないようにする。
![画像3: 基本的な煮沸の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/600472dfd0b3b3d1273c35e7c5edc079938d8fa0_xlarge.jpg)
大きなビンの場合
![画像4: 基本的な煮沸の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/4a39cd59792b153f1dccf5009aea717b98d3092e_xlarge.jpg)
大きなビンの場合、全体を水に沈められる大きさの鍋がないことも。その場合も上記同様、鍋にビンと水を入れて、徐々に温めて。ふつふつとしたら、玉じゃくしでビン全体に熱湯をかけたり、ビンを返して全体を煮沸する。
事前に煮沸する場合
![画像5: 基本的な煮沸の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/1492f626169dce730031efe1d0342031249a01a7_xlarge.jpg)
思い立ったときにいつでもビン詰めできるよう、時間があるときにまとめて煮沸消毒しておくのもおすすめ。煮沸したビンが乾いたら、清潔なポリ袋に入れて保管しておく。
脱気について
煮沸したビンにでき上がったジャムやソースを入れたら、脱気をします。
ビンから中の空気を追い出すことで、長期保存が可能になります。中身の色が少し濃くなる場合もありますが、これも安心のため。
脱気がうまくいったか見分ける方法はふたの真ん中あたり。ここがペコリと凹んでいたら、空気が抜けた証拠です。逆に保存中にふたがふくらむことがあれば、空気が入った可能性がありますので、すぐに開けて確認を。
なおジャムを入れる容器は、ビンは何度も使えますが、ふたはパッキンが古くなると劣化し、密封ができなくなるため、新しいものを使うのがおすすめです。
煮沸、脱気ともに熱湯を使い、熱いジャムやソース、熱いビンを扱います。くれぐれもやけどなどに注意しながら、作業をしてください。
基本的な脱気の方法
1 でき上がったジャムが熱いうちに、煮沸消毒したビンに入れる。量はビンのふちよりもほんの気持ち少ないくらい、95%くらいは入れること。ロートを使うと、ビンの口の周囲につかなくていい。
もしついたらアルコールを含ませたペーパータオルでふき取って。
![画像1: 基本的な脱気の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/02bf6995d38fdaa931dc2043d7a200a132f28fd1.jpg)
2 ビンのふたを閉める。ここではきつく閉めなくてもよい。
![画像2: 基本的な脱気の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/88f76233e73099006e40fc64882016cd374c6854.jpg)
3 煮沸消毒をする。ビンを鍋に入れて、ふたの2cm下くらいまで水を注ぎ、火にかける。沸騰したら弱火にして、15分ほど煮る。ここで中の空気が少しずつ抜ける。
![画像3: 基本的な脱気の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/e56b76e2a6369a726166734bd5f27f2f1a27f507.jpg)
4 煮沸するとふたがゆるむので、やけどしないように、ふきん、軍手、厚手のゴム手袋などを使って、ビンを取り出し、熱いうちにふたをかたく閉め直す。
![画像4: 基本的な脱気の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/208aaabef9422abde8912a9440dca13fe6e460be.jpg)
5 ビンを裏に返して、冷めるまでおく。
![画像5: 基本的な脱気の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/b64eac15e058a2df1b320c6efb4a391e98f937bf.jpg)
本記事は『季節を味わう 保存食手帖』(扶桑社)からの抜粋です
〈撮影/広瀬貴子〉
![画像6: 基本的な脱気の方法](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2021/05/12/40d8ba5c1bf2c5e23e9f60406ec24908601ff803.jpg)
飛田和緒(ひだ・かずを)
1964年、東京生まれ。高校3年間を長野で過ごす。現在は、海辺の街に夫、娘とともに暮らす。祖母の料理から引きついだ東京の味、母や友人によって知った長野の味、自身が暮らす湘南の味、その土地ごとの味と素直に向き合いながら、日々の食卓で楽しめる家庭料理、保存食をつくり続ける。近著に『おとなになってはみたけれど』『くりかえし料理 』(ともに扶桑社)。
Instagram:@hida_kazuo
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書き込める「手帖スタイル 」も健在。年1回しかつくらないものも多いから書き込み欄のメモを充実させて、自分の味を深めていく使い方が好評です。
「私自身もこの本をとても頼りにしていて、まず本を開いて昨年のメモを読み返したりしながら、素材の入荷状況を確認したり、注文したりして、作業に入ります」(著者)