天然生活 最新号

スタイルを決めるうえで大切なのは、クローゼットの中を把握しておくこと。どんな雰囲気が好きで、どんなシルエットが似合うのか……。今回は、自分らしいおしゃれを楽しむ「hal」店主の後藤由紀子さんに、クローゼットを見せてもらいました。
(『天然生活』2012年10月号掲載)

冒険はせず、自分だけの定番をそろえる

同じ形で色違いのカットソーや、素材違いのワンピース、色も素材もまったく同じスカート……。後藤さんのクローゼットからは、そんなアイテムが次々と出てきます。

「背が低くて、O脚で、なで肩だから、体形に合うものがあると、つい色違いも買っちゃうんです」

スカートは、O脚を隠しながらも、背が低く見えない丈。シャツは、なで肩が目立たぬよう、袖山のあるもの。「これ」という後藤さんなりの定番があるのです。

さらに、白やグレー、タータンチェックやボーダーと、ベーシックな色柄のものが多いのも特徴。

「冒険できないから、買うときも迷わないんです。同じような洋服ばっかりで、バカみたいでしょー」と笑います。

いえいえ、それこそが後藤流。自分の体形に合うもの、好きなものがはっきりしていれば、迷うことなくお買い物ができるというお手本なのです。

画像: 真夏用の半袖と真冬用の厚いニット類は入れ替えるものの、そのほかは、ほぼオールシーズン着まわすアイテムばかり

真夏用の半袖と真冬用の厚いニット類は入れ替えるものの、そのほかは、ほぼオールシーズン着まわすアイテムばかり

後藤由紀子さんのクローゼットの中身を拝見

春・夏

トップス

・カットソー(Tシャツなど半袖) 8

ラグラン袖のものは、なで肩には似合わないから、と持っていない。自分の肩幅にぴったり合うもの、ほどよい開き具合の衿ぐりで、きちんとした印象になるようにしている

・ブラウス、シャツ(半袖) 8

スカートに合わせることがほとんどで、裾を入れることはないから、丈の短いタイプばかり。ここでも、なで肩が目立たぬよう、袖山がしっかりあるタイプをセレクト

・タンクトップ、キャミソール 3

ボトム

・スカート 10

スカートをはくことがほとんどだが、たまにパンツも登場。スカートと同じ感覚ではけるよう、ふんわりとしたシルエットで、足のラインが出ないデザインのものばかり

・パンツ 3
・レギンス 3

むき出しになる足首を、どうバランスをとったらいいのかわからず、持っている春夏物は、めったに身に着けない。秋冬物はひとつも持たず、いつもタイツをはいている

アウター

・ジャケット 3

その他

・ワンピース 10
・巻き物(リネンやコットン) 3
・ベスト 8

大好きなアイテムのひとつ。シャツや薄手のカットソーと重ね着して、トラッドな雰囲気に。おなかまわりを隠してくれる、ちょっとだけゆったりしたサイズをセレクト

後藤由紀子さんの春・夏 服グラフ

画像: 後藤由紀子さんの春・夏 服グラフ

秋・冬

トップス

・カットソー(長袖) 10

秋冬のものは、ほとんど重ね着用で、白い薄手のものが多い。「サンスペル」のものがほとんどだが、衿ぐりや袖の見え方を変えたいため、さまざまなデザインを持っている

・ブラウス、シャツ(長袖) 5
・セーター(プルオーバータイプ) 8
・セーター(前開きタイプ) 10
・パーカ 8

改めて数えてみて、パーカが多いことに初めて気づいたそう。片口の器が好きで集めてしまうように、フードが付いているシルエットが好きで、無意識に増えていた

ボトム

・スカート 5

基本的には、ボリューム感のない、すとんとしたシルエットで、膝下の丈のものばかり。ただし、秋冬のスカートは、ブーツとバランスをとるために、少し短めの丈のものも

・パンツ 2
・デニムパンツ 2

2本持ってはいるものの、めったにはかないアイテム。ふだんからスカートが多いので、足の形が見えることに抵抗があるそう。子どもの部活の応援のときに、たびたび登場

・レギンス 0

アウター

・ジャケット 0
・コート(薄手) 3
・コート(厚手) 3
・ジャンパー 0

その他

・ワンピース 5
・巻き物(ウールやカシミヤ) 5

店番をするときの必須アイテム。開店準備中はまだ店内が暖まっていない状態なので、首元を温めてくれるうえに、準備作業にもじゃまにならず、動きやすくて重宝している

後藤由紀子さんの秋・冬 服グラフ

画像: 後藤由紀子さんの秋・冬 服グラフ

春夏秋冬の装い

仲春

画像1: 仲春

さらりと一枚だけ身に着けるワンピースは、色数を抑えた花柄で、なおかつ、きちんと衿のあるタイプを選んで、甘くなりすぎないスタイルに。革製のバッグで、トラッド感をプラスしている

春のアイテム

画像2: 仲春

日差しの強い日にも、不意の雨にも便利な晴雨兼用傘。職人の手づくり

晩春

画像: 晩春

定番のボーダー柄のカットソーは、Vネックをセレクト。デコルテを少し見せることですっきりとした印象になる。カジュアルになりすぎないよう「マーガレット・ハウエル」の黒い靴で引き締める

初夏

画像1: 初夏

ワンピースは「エートルピエニュ」のもの。なめらかな素材で、すとんと落ちるシルエットがお気に入り。「ビルケンシュトック」の赤いサンダルをアクセントに。バッグは「コーダスタイル」

夏のアイテム

画像2: 初夏

少し大人っぽくするときは、サンダルのなかでもヒール付きをセレクト

仲夏

画像: 仲夏

アイボリーとブラックというモノトーンの大人っぽいコーディネート。そこに、竹製のかごやヘレンカミンスキーのストローハットなどを合わせて、柔らかさと夏らしさを演出している

仲秋

画像1: 仲秋

「37」のスカートは、同じものと、色違いがもう一枚ずつあるほど気に入っている。「ジョンスメドレー」のマルチボーダーカーディガンと梅原和香さん作のバッグで大人のかわいらしさをプラス

秋のアイテム

画像2: 仲秋

色・素材違いでたくさん持っている「アーツ&サイエンス」のバッグ

晩秋

画像: 晩秋

「アー・ペー・セー」のトレンチコートにタータンチェックの巻きスカート、ブーツを合わせた、これぞトラッドという装い。チェック柄は、白か黒が入っていれば他のアイテムとも合わせやすいそう

初冬

画像1: 初冬

「エミスフェール」のワンピースは、ロングブーツとのバランスを考えて、短めの丈のものに。一枚でも温かいウール素材だが、風が冷たい日は、さらに「ジョンストンズ」の大判ストールをプラス

冬のアイテム

画像2: 初冬

レギンスなどははかず、もっぱらタイツ派。定番色を、はきまわしている

仲冬

画像: 仲冬

暗い色が多い冬には、あえて白やアイボリーを選んで。エートルピエニュのスカートは3枚仕立てなので、保温性も十分。「コム デ ギャルソン」のパテントシューズで、上品な雰囲気に



〈撮影/柳原久子https://water-fish.co.jp/ 取材・文/晴山香織〉

後藤由紀子(ごとう・ゆきこ) 
静岡・沼津で器と生活雑貨の店「hal(ハル)」を営む。著書に『私の愛するお店』『おとな時間を重ねる』(ともに扶桑社)などがある。YouTubeチャンネル『後藤由紀子と申します。』公開中。
インスタグラム:@halnumazu @gotoyukikodesu
http://hal2003.net/

※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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