(『愛犬との幸せなさいごのために』より)
愛犬は立てる? 歩ける? 寝たきり?
介護中の愛犬の居場所は、そのときの状態に合わせて、臨機応変に変えていくのがおすすめです。愛犬の安全性や快適性はもちろん、飼い主さんの負担軽減やメンテナンスしやすさも考慮して、極力いらない仕事が増えないように工夫しましょう。
1 自力で立ち上がれる場合
立ち上がることはできるけれどすぐに倒れてしまう場合は、倒れたときのダメージに気をつけましょう。サークルの内側に浴室内マットやヨガマットを結びつければ、寄りかかっても安全。子ども用のビニルプールの中を居場所にすると、床に粗相をしても処理しやすいというメリットも。
2 立たせてあげれば歩ける場合
自力では立ち上がれないけれど、立たせてあげれば歩くことができる場合は、できるだけ歩かせてあげましょう。床はピースのコルクマットかヨガマットなど、滑りにくくメンテナンスしやすい素材に。歩き回っても落下したりはまり込んだりしないように、階段や玄関など段差があるところにはゲートを設置するなど対策を。
3 寝たきりの場合
寝たきりで立ち上がることも歩くこともできない場合は、床ずれ防止が大切です。例えば、下から高反発のウレタン、トイレシート、タオル、ハニカムマットというように重ねると、メンテナンスもしやすくなります。ベッドの脇にバスタオルやヨガマットを丸めたものを置いて、背中から落ちないようにしてあげましょう。ベッドは犬が四肢を伸ばした状態よりほんの少し大きいぐらいのサイズにし、ベッドごと移動できると便利。
<挿絵/わたなべとしふみ>
本記事は『愛犬との幸せなさいごのために』(河出書房新社)からの抜粋です
俵森朋子(ひょうもり・ともこ)
鎌倉にある、愛犬の体に優しいフードやケア用品、オリジナルグッズなどを扱う『pas à pas(パザパ)』店主。インテリアテキスタイルデザイン&企画の仕事に20年近く従事した後、1999年に友人とともに『ドッググッズショップ シュナ&バニ』を立ち上げる。2012年、もっと犬の体にいいことをしたいとpas à pasをオープン。食事療法インストラクター、ペット薬膳管理士の資格を取得し、現在は『manpucu garden(まんぷくガーデン)』として、手作りごはんのワークショップやカウンセリングも行う。『犬ごはんの教科書』(誠文堂新光社)など著書多数。