(『天然生活』2018年3月号掲載)
茶碗蒸しのつくり方
えびやとり肉、きのこなど、だしが出る食材をたっぷりと。鍋に直接、器を並べる「地獄蒸し」で、加熱時間をぐっと短縮できます。
材料(2人分)
〈卵液〉 | |
・ 卵(MまたはL玉) | 1個 |
・ だし(または顆粒だしを水で溶く) | 1カップ |
・ 薄口しょうゆ | 小さじ1 |
・ 塩 | 小さじ1/5 |
〈具〉 | |
・ とりもも肉 | 4切れ(30g) |
・ えび | 2尾 |
・ しいたけ | 1個 |
・ 三つ葉 | 4本 |
つくり方
1 ボウルに卵を割り入れ、薄口しょうゆ、塩を加えて、よく混ぜる。均一にほぐれたら、冷たいだしを加えて混ぜる
2 えびは背ワタを取り、殻をむく。しいたけは石づきを取り、食べやすい大きさに切る。三つ葉は2cmくらいに切る。
3 器に2ととり肉を入れ、1を注ぐ。小皿またはアルミホイルでふたをする。
4 鍋に湯を沸かし、3を入れる。器に半分程度がつかるように湯量を調整する。鍋にふたをして、弱火で8分加熱する。竹串を刺して、澄んだ汁が出れば蒸し上がり。
小さな工夫
卵を溶く際に塩を加えると、卵黄と卵白がすぐに混ざり、こす手間を省ける。
蒸すときは、小皿かアルミホイルをかぶせるとよい。
常識を見直せば、料理がよりシンプルに
長年、楽につくれて、おいしい家庭料理を研究してきた瀬尾幸子さん。今回、教えてくれた定番料理のレシピも、そぎ落とす素材や手順と手間を惜しまないプロセスのメリハリが鮮やかです。
瀬尾さんの「小さな工夫」は、当たり前を見直すこと。すると、大切な部分がわかるそうです。
「その手順や素材がなぜ存在するのかを考えて、必要な手間だけをきちんとかけるのが料理上手への道。手がその料理を覚えるまで、最低3回は真剣につくりましょう。アレンジは、そのあとから」
「料理には設計図が必要」と強調する瀬尾さん。土台や柱と装飾の違いを見極めて、芯をしっかりと身につけること。さらに、つくりたい味を明確にすることが大切。
「まずは料理上手の友人やレストランが先生。積極的においしいものを食べて。そこで覚えた味を目指せば、ゴールが見えますよ」
〈料理/瀬尾幸子 撮影/萬田康文 取材・文/河合知子 スタイリスト/竹内万貴〉
瀬尾幸子(せお・ゆきこ)
料理研究家。素材の味をうまく引き出し、少ない手間と調味料で完成する、味わい深く体にやさしい家庭料理を提案。調理の「なぜ?」に明快かつ科学的に答え、幅広い層に支持されている。著書に『みそ汁はおかずです』(学研プラス)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです