甘夏みかんのこと
「甘夏みかん」は、「夏みかん」の変異品種で、突然変異の一種の枝変わりとなる日本の古い柑橘です。夏みかんより酸味が少ないので、甘夏と呼ばれました。そして、夏みかんより早く色づき、食べやすいので、現在は甘夏の方が多く生産されています。
昭和10年に大分県津久見市の川野豊さんによって発見されたことから、正式名称を「川野ナツダイダイ」(川野夏橙)といいます。
甘夏みかんのマーマレードのつくり方
甘夏をまるごとぜいたくに使いきる、甘みと苦みのバランスがおいしいマーマレード。
パンにのせたり、ヨーグルトにかけたりと、朝食やおやつにおすすめです。冷凍保存も可能。
材料(つくりやすい分量)
● 甘夏みかん | 1kg(皮400g・果肉350g) |
● グラニュー糖 | 430g |
つくり方
1 甘夏みかんを6〜8等分のくし形に切り、果肉と皮に分け、皮のワタの部分を削ぎ取る。皮は横に薄切りにする。果肉は麻袋等に入れ、絞っておく。
2 沸騰したたっぷりの湯で、2回皮をゆでこぼし、苦味を抜く。鍋(土鍋、ガラス鍋、鋳物ホウロウ鍋など)にゆでた皮とグラニュー糖を入れ、よくトスして合わせ10分ほどおく。
さらに皮から出た水分とグラニュー糖をあわせる。絞ったジュースを加え、弱火でふたをせずに、ときどき鍋底から大きく混ぜながら約30〜40分好みの具合に煮る。冷めると1割ぐらい固くなるのを計算して火を止める。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
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