子どもたちとセラピードッグの心の交流
大阪母子医療センターに入院する闘病中の子どもたちの、闘病意欲の向上や、子どもとそのご家族を元気づけることを目的として始まった「ドッグセラピー」も、今年で6年目。
「子どもたちのそばに毎日セラピードッグがいる病院」を目指して、週に1回、日本レスキュー協会のセラピードッグたちが小児病院を訪問しています。
しかし新型コロナウイルス感染拡大により、現在は子どもたちを訪問することができなくなってしまいました。
そこで、病院内のすべてのイベントの中止とご家族の面会規制がつづき、つらい思いをしている子どもたちのためにと始まったのが、「オンラインドッグセラピー」でした。
長くつづく入院生活の中にひとつでも楽しい思い出が増えるよう、たとえ会えなくても、子どもたちとセラピードッグの心の交流はつづいています。
今回は、そんな子どもたちから届いたセラピードッグへのお手紙をご紹介させてください。
セラピードッグへの想いをつづった子どもたちの手紙
シールで想いを伝える、Kくんのメッセージカード
いつもは50音のタブレットでコミュニケーションをとるKくん。お母さんが書いてくれたシールを使って、一生懸命つくってくれたそうです。
写真はKくんのお母さんがSNSに投稿してくださったもの。
「セラピードッグは息子にとって長い入院生活の楽しみのひとつです。カレンダーを見ながらわんちゃんに会える日を指折り数えて過ごす息子を見ていると、セラピードッグの効果はとても大きいと感じます」
「毎朝起きてあと何日寝たら会えるか確認してきます」
私たちのどんな言葉よりも説得力があって、たくさんの方の心に届いてほしい、私たちにとっても、励みになる言葉です。
Yちゃんのうちわとイラスト
「みらい」がお気に入りのYちゃん。退院の報告をしてくれたとき、画面の向こうから大きな声で「ありがとう」を伝えてくれました。
少しお姉さんのHちゃんの手紙
Hちゃんは少し大きなお姉さん。進路のお話をする中で、私たち「ハンドラー」の仕事について質問してくれたこともあります。
Hちゃんのお母さんからは、こんなメッセージをいただきました。
「娘がドッグセラピーの日はうれしそうにしています。私自身も癒されています。ときどき母娘で推しわんちゃんについて話したりします。オンラインやカレンダーの写真だけでなく、いつか直接触れ合える日が来ることを楽しみにしています」
にこりとなかよし! Rちゃんの手紙
にこりとなかよしのRちゃん。入院中はにこりへ手づくりのキーホルダ―をプレゼントしてくれました。
「いつになったらげんきになれるのか分からず、ずっと辛くて、さみしかったです」
「にこりちゃんは大人しくてやさしくてかしこかったです。おもちゃで遊んだり、撫でたりして、すごくいやされました。定期的にみんな(犬)に会えることで入院生活が楽しくなりました。私はにこりちゃんに心を救われました」
Rちゃんと初めて会ったのはICU。それから退院までの間、病院を訪問するといつもお母さんと一緒に笑顔で迎えてくれました。
少しでも楽しい思い出が増えるように
子どもたちが長い入院生活を振り返ったとき、苦しかったり痛かったりつらい思い出ばかりでなく、にこりやほかのセラピードッグとの楽しかったことを思い出して、少しでも幸せな気持ちになってくれたら。
そこに笑顔があふれていることを願いながら、これからもセラピードッグと共にこの取り組みをつづけていきます。
赤木 亜規子(あかぎ・あきこ)
日本レスキュー協会でセラピードッグと一緒にお仕事しています。
https://www.japan-rescue.com/
インスタグラム:@japanrescue