きのこの薬膳的効能ついて
薬膳では、きのこは気(生命エネルギー)を補う代表的な食材。免疫機能は気によって育まれるとされるため、冬はきのこをたっぷり食べることで、風邪や感染症などの予防にも役立つと考えられます。
栄養学でも、きのこに多く含まれる食物繊維のβ-グルカンが、腸内の免疫細胞に働きかけて活性化させることがわかっています。
食物繊維のかたまりですから、便通の改善や腸内環境を整えることにもつながりますね。
【保存食】きのこペーストのつくり方
一年中出まわっているきのこですが、本来は秋が旬。
うま味がたっぷりでいろいろ活用したいところですが、あまり日持ちしないのが難点。使いきれずに残ったものは、ペーストにして保存しておくと重宝しますよ。
うま味も香りもギュッと凝縮するので、パンに塗ったり、パスタとからめたり、炒めものやスープに加えたり、アレンジ自在です。
1種類よりも、いろいろなきのこを数種類混ぜ合わせると、味わいにも香りにも奥行きが出ておすすめです。
材料(好みの量)
● きのこ(しいたけ、しめじ、マッシュルームなど好きなもの) | 計約200g |
● にんにく | 1片 |
● 白ワイン(なければ酒) | 大さじ1 |
● 塩・こしょう | 各少々 |
● オリーブオイル | 大さじ1 |
つくり方
1 きのこは石づきや根元を除き、手でざっくりと裂く。こうしておくと、後ほどフードプロセッサーにかける際、刻みやすくなる。にんにくはみじん切りにする。
2 きのこをフードプロセッサーにかける。きのこの食感を残すためにも、あまり細かくしすぎないように。または、包丁で細かなみじん切りにする。少しツブツブ感があるくらいを目安に。
3 フライパンを中弱火にかけ、オリーブオイルとにんにく、2を入れて塩とこしょうをふって炒める。
4 きのこがしんなりしたら白ワインを加え、弱火で10分ほどじっくり炒める。汁けが飛び、きのこと水分がなじんでペースト状になったら、煮沸消毒した密閉性の高い保存容器に移す。
※冷蔵庫で1週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」