• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、10月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる発酵食品が注目されています。おうちで過ごす時間が増え、保存食づくりを始める人も。今回紹介するのは、「きのこペースト」です。

    きのこの薬膳的効能ついて

    薬膳では、きのこは気(生命エネルギー)を補う代表的な食材。免疫機能は気によって育まれるとされるため、冬はきのこをたっぷり食べることで、風邪や感染症などの予防にも役立つと考えられます

    栄養学でも、きのこに多く含まれる食物繊維のβ-グルカンが、腸内の免疫細胞に働きかけて活性化させることがわかっています。

    食物繊維のかたまりですから、便通の改善や腸内環境を整えることにもつながりますね。

    【保存食】きのこペーストのつくり方

    画像: 【保存食】きのこペーストのつくり方

    一年中出まわっているきのこですが、本来は秋が旬。

    うま味がたっぷりでいろいろ活用したいところですが、あまり日持ちしないのが難点。使いきれずに残ったものは、ペーストにして保存しておくと重宝しますよ。

    うま味も香りもギュッと凝縮するので、パンに塗ったり、パスタとからめたり、炒めものやスープに加えたり、アレンジ自在です。

    1種類よりも、いろいろなきのこを数種類混ぜ合わせると、味わいにも香りにも奥行きが出ておすすめです。

    材料(好みの量)

    ● きのこ(しいたけ、しめじ、マッシュルームなど好きなもの)計約200g
    ● にんにく1片
    ● 白ワイン(なければ酒)大さじ1
    ● 塩・こしょう各少々
    ● オリーブオイル大さじ1

    つくり方

     きのこは石づきや根元を除き、手でざっくりと裂く。こうしておくと、後ほどフードプロセッサーにかける際、刻みやすくなる。にんにくはみじん切りにする。

    画像: しいたけの石づきはかたいので包丁で切る。傘と軸も切り離し、手で細かく裂く

    しいたけの石づきはかたいので包丁で切る。傘と軸も切り離し、手で細かく裂く

    画像: しめじの石づきを包丁で切り、手で細かくほぐす。大きいものは半分に裂く

    しめじの石づきを包丁で切り、手で細かくほぐす。大きいものは半分に裂く

    画像: マッシュルームは手で細かく裂く

    マッシュルームは手で細かく裂く

    画像: エリンギは傘と軸を切り離し、長い軸は包丁で切ってから、手で裂く

    エリンギは傘と軸を切り離し、長い軸は包丁で切ってから、手で裂く

     きのこをフードプロセッサーにかける。きのこの食感を残すためにも、あまり細かくしすぎないように。または、包丁で細かなみじん切りにする。少しツブツブ感があるくらいを目安に。

     フライパンを中弱火にかけ、オリーブオイルとにんにく、を入れて塩とこしょうをふって炒める。

     きのこがしんなりしたら白ワインを加え、弱火で10分ほどじっくり炒める。汁けが飛び、きのこと水分がなじんでペースト状になったら、煮沸消毒した密閉性の高い保存容器に移す。

    画像: 炒めるうちにきのこから水分がたっぷり出てくるので、汁けがほとんどなくなるまで炒める

    炒めるうちにきのこから水分がたっぷり出てくるので、汁けがほとんどなくなるまで炒める

    ※冷蔵庫で1週間保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。

    インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
    YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」



    This article is a sponsored article by
    ''.