しょうがの薬膳的効能ついて
しょうがは漢方薬の生薬であり、薬膳でもとても重宝される食材です。
風邪のひき始めで寒気がするときに、しょうが湯を飲んだ経験はありませんか? これは、しょうがに体を温めて、発汗を促し、余分な熱や水分を発散させる作用があるからです。
胃腸の調子を整え、食欲を増進させる働きもあるので、食欲のないときや胃がもたれるとき、また冷えによる嘔吐やつわりの改善にも利用されます。
生のしょうがは手足の抹消血管を拡張して発汗を促し、加熱したしょうがは体の内側をじっくり温める作用があるので、目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。
【保存食】新しょうがのしょうゆ煮のつくり方
9〜11月ぐらいに旬を迎える新しょうが。収穫後、貯蔵して翌年になって出荷されるひねしょうがとは違い、辛味が穏やかでみずみずしく、フレッシュな香りが魅力です。
わが家の畑の土はしょうがに向いているようで、毎年、無農薬でも見事なしょうががたくさん獲れるので、いろいろなお漬物やドリンクなどにして楽しんでいます。
はちみつとお酢でつくるさっぱりとした甘酢漬けや、赤梅酢に漬け込んだ紅しょうが、スパイスの効いたジンジャーシロップも大好きですが、わが家でとくに消費量の多いのがしょうゆ煮です。
ごはんのお供に最適で、この時期のお弁当にも欠かせません。辛味がマイルドなので、子どもでも食べられますし、ポリポリとした食感も後を引きますので、たっぷりつくっておくことをおすすめします。
新しょうがは、茎の付け根が鮮やかな紅色で、みずみずしいものを選んでくださいね。
材料(つくりやすい分量)
●新しょうが | 100g |
●しょうゆ | 40mL |
●みりん | 20mL |
つくり方
1 新しょうがは1mm程度の薄切りにする。
2 鍋にしょうゆとみりんを入れて火にかけ、沸いたら1を加える。
3 ときどきかき混ぜながら、煮汁がほとんどなくなるまで煮詰める。
4 3の粗熱が取れたら、煮沸消毒した瓶に入れてふたをし、冷蔵庫で保存する。すぐに食べられる。
※冷蔵庫で1カ月保存可能。
※ひねしょうがでも同様につくれる。調味料を少し増やすと、辛味が抑えられ、食べやすくなる。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」