(『キャプション家に伝わる日々のごはん ウクライナの家庭料理』より)
長い時間をかけてつくり継がれてきた、ウクライナの伝統的なお菓子
京都と東京でパイとケーキの店「松之助」を営む平野顕子さんは、ウクライナ系アメリカ人の夫と、夫の両親の4人で、ニューヨークで暮らしています。
自らもケーキづくりの名人である平野さんに、料理上手な義母から教わったという、ウクライナお菓子を教えていただきました。
ウクライナの家庭でつくるお菓子は、長い時間をかけてつくり継がれてきた伝統的なもの。
おかあさん、おばあさん、その先代もつくってきたであろう愛情の詰まった甘いお菓子は、素朴な味わいで、食べると心まで癒されます。
ウクライナのキャロットケーキ「モルコヴニツェ」のつくり方
平野さんのお店でも人気だというキャロットケーキは、ウクライナでは「モルコヴニツェ」という名前で呼ばれ、家庭によってさまざまなレシピがあるといわれています。
夫イーゴさんの母が焼くモルコヴニツェは、粗くすりおろしたにんじんをたっぷりと使い、刻んだナッツ、シナモンやクローブといったスパイスがきいた素朴なレシピです。
材料(直径18cmの丸型1台分)
● A | |
・卵 | 4個 |
・にんじん(粗めのすりおろし) | 150g |
・ブラウンシュガー | 70g |
・サラダ油 | 45g |
● B | |
・薄力粉 | 180g |
・ベーキングパウダー | 小さじ1 |
・シナモンパウダー | 小さじ1 |
・クローブパウダー | 少々 |
・塩 | 少々 |
● C | |
・くるみ(ローストして、粗く刻む) | 50g |
・レーズン | 35g |
・ドライプラム(粗く刻む) | 35g |
〈ソース〉
● 生クリーム(脂肪分42〜45%) | 120mL |
● バニラエキストラクト | 3g |
つくり方
1 Aをハンドミキサーで混ぜる。
2 ふるったBを加えてざっくり混ぜ、さらにCも加えてざっくり混ぜる。
3 オーブン用ペーパーを敷いた型に流し入れ、180°Cに予熱したオーブンで35分ほど焼く。竹串を刺して生の生地がつかなければ焼き上がり。
4 ソースをつくる。生クリームにバニラエキストラクトを加え、ハンドミキサーで七分立てに泡立てる。食べる直前に、切り分けたケーキにかける。
※ 本記事は『キャプション家に伝わる日々のごはん ウクライナの家庭料理』(PARCO出版)からの抜粋です
<レシピ/平野顕子、イーゴ・キャプション スタイリング/平野顕子 写真/井田貴子>
平野顕子(ひらの・あきこ)
料理研究家。アップルパイとアメリカンベーキングの専門店である京都・高倉御池の「Caf´e&Pantry松之助」と東京・代官山の「MATSUNOSUKE N.Y.」のオーナー。京都と東京にお菓子教室「平野顕子ベーキングサロン」も開校。著書に『「松之助」オーナー・平野顕子のやってみはったら! 60歳からのサードライフ』(主婦と生活社)、『アメリカンスタイルのアップルパイ・バイブル』(河出書房新社)など多数。
インスタグラム:@hiranoakiko214
イーゴ・キャプション(いーご・きゃぷしょん)
ウクライナ・キーウ出身。大学卒業後、National Institute of Wight and Measureas就職。その後アメリカに渡り、アメリカ企業に就職。2017年に平野顕子と結婚。現在は退職し、プロ級の腕前の釣りとスキーを楽しんでいる。
◇ ◇ ◇
豊かで美しい国の、愛情に満ちた家庭の味。
料理を介して、ウクライナのこと、もっと知りたい!
アメリカンスイーツの人気店「松之助」オーナー、平野顕子さんと夫のイーゴ キャプション氏による、ウクライナ料理のレシピ集。
イーゴ氏の実家、キャプション家に伝わる家庭料理の数々を、美しい写真とともに紹介します。
すべてのメニューに関連するエピソード付き!
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