玉ねぎの薬膳的効能ついて
玉ねぎは気のめぐり、とくに胃の気のめぐりをよくするため、中国では食欲不振や胃もたれ、下痢を改善する胃薬のような存在として利用されてきました。
ため息やげっぷ、しゃっくり、吐き気、胸や脇の腫れ、おなかのはりなど、胃の気の滞りが悪くなることで生じる症状にもよいとされます。
また、体を温めたり、血液をさらさらにして血行を促進したり、解毒・殺菌作用もあるとされます。
気をめぐらす働きは、加熱するより生でいただくほうが強いといわれますが、加熱すると温める作用が高まります。
【発酵料理】玉ねぎ麹のつくり方
いろいろな野菜に塩と米麹を加えて発酵させる野菜麹。よくつくっては試しているのですが、なかでもおすすめなのが玉ねぎ麹です。
塩麹の材料に玉ねぎをプラスして発酵させるだけで、まさに和風コンソメの味。
だしやスープのもとなどがなくても、ちょっと加えるだけで甘味やうま味が格段にアップします。クセがなくいろいろな料理に使えるので、とにかく便利。ポトフなどのスープはもちろん、カレーや煮もの、ドレッシング、グリルしたお肉のソースなどに使える万能調味料です。
玉ねぎは辛みが強いため、辛みが少なく水分が多い新玉ねぎでつくるのがおすすめですが、玉ねぎでつくるときのポイントもお伝えしますのでご安心を。
材料(つくりやすい分量)
●新玉ねぎ | 300g |
●米麴(生) | 100g |
●塩 | 30g |
つくり方
1 玉ねぎは皮をむいて、すりおろす。
2 煮沸消毒した保存容器に、米麹と塩を入れてよく混ぜる。
3 1の玉ねぎを加えてよく混ぜる。
4 直射日光の当たらない常温の場所に置き、 1日1回スプーンで底からかき混ぜる。
5 玉ねぎの辛味が甘い香りに変わり、薄いピンク色に変化したらでき上がり。
※冷蔵庫で約1カ月保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」