ロンドンの夏
ロンドンからこんにちは。Yukiです。
太陽が輝く季節がやってきましたね。ただいま、夏真っ盛り。みなさん、いかがお過ごしですか?
今年のロンドンは気温20度前後で、比較的過ごしやすく、うれしい反面、汗だくで食べるかき氷や、夏祭り、風鈴の音色など、日本ならではの風情ある夏の日々が懐かしく感じます。
そして、最近のGomi家のニュースといえば、久しぶりに渡英してくれた母の滞在。ロンドンで、家族一緒に、日本食を楽しむ日々を送っています。
ロンドンと故郷・信州を結ぶ、あの食材
母がいまも暮らす故郷は、信州と甲州の境。八ヶ岳山麓の美しい自然に恵まれ、澄んだ水と、おいしいものがいっぱいのエリアです。
信州そばも有名ですよね。私も大好きです。
原料のそば粉は、実はヨーロッパ人にとっても馴染みのある穀物で、クレープやパンケーキ、そばの実のリゾットなどに使われて親しまれています。ここロンドンでも、長野でつくられたオーガニックの十割そばが近所のスーパーで手軽に買うこともできるほど身近で、グルテンフリーのGomi家には欠かせない食材だったりします。
そこで、今回のレシピには、そばを使った料理を選んでみました。ロンドンでも人気の「簡単そば寿司」です。
「そば寿司」は、酢めしを使った巻き寿司よりずっとシンプルで、ヘルシー。サラダはもちろん、海老天やお刺身を入れても、とってもおいしいんですよ。
Yuki流 自家製「そば寿司」
メニューは、私の著書『Sushi At Home』(ペンギン出版)でも紹介した3レシピ。
酢めしをつかった一般的なお寿司とは異なる「そば寿司」のポイントは、巻き方にあり。材料と一緒に、手軽にできるコツもあわせて、紹介しますね。
◆「えび天茶そば寿司」:えび天ぷらを貝割れ大根と巻いて、さっぱり梅ソースでめし上がれ。
◆「サラダそば寿司」:余ったお野菜や木綿豆腐で巻きます。濃厚なごまだけれと一緒にどうぞ。
◆「まぐろの刺身とおくらのそば寿司」:シンプルにわさびじょうゆがぴったりです。
【MENU①】
えび天茶そば寿司 さっぱり梅ソース
材料(1本分)
● 茶そば | 60g |
● のり | 1枚(約縦24×横19cm) |
● 油 | 小さじ1/2 |
● えびの天ぷら | 2尾 |
● 貝割れ大根 | 適量 |
<梅だれ> | |
● ねり梅 | 大さじ1 |
● はちみつ | 大さじ1/2 |
● 米酢 | 大さじ1/2 |
● しょうゆ | 大さじ1/2 |
つくり方
1 そばは、袋の表示どおりにゆで、冷水にとり、よく冷えたらざるにあげてしっかりと水けをきる。あとで巻きやすくするため、そばに油をかけて軽く混ぜる。
2 まきすにのりを乗せたら、1のそばをのり2/3程度の手前部分に広げる。そばは横に並べていくような感じで敷き詰めていくと、きれいに仕上がる。
3 具材のすべてを中央部分に置き、手前からしっかりと巻いていく。巻き終わったら、数分放置する。
4 たれをつくる。たれのすべての材料を小さなボールに入れ、よく混ぜる。
5 3は食べやすい大きさに切り、器に盛り付け、4をつけていただく。
【MENU②】
サラダそば寿司
材料(1本分)
● そば(田舎そばなど) | 60g |
● のり | 1枚(約縦24×横19cm) |
● 油 | 小さじ1/2 |
● アボガド | 1/2個 |
● にんじん(せん切り) | 適量 |
● パプリカ | 適量 |
● きゅうり | 1cm角×のり幅の長さ×1本 |
● 好みでアスパラ | 2本 |
● 水切りした木綿豆腐 | 1cm角×のり幅の長さ×1本 |
● ルッコラもしくはサラダ菜 | 適量 |
● 香菜もしくはパセリ | 適量 |
<ごまだれ> | |
● ねりごま | 大さじ2 |
● はちみつ | 大さじ1 |
● 米酢 | 大さじ2 |
● しょうゆ | 大さじ1 |
● 水 | 大さじ1 |
● ねりからし | 小さじ1 |
つくり方
1 アボガドは、包丁をぐるりと入れ、ひねって半分に割り、種をとる。皮をむき、1cm幅に切る。にんじん、パプリカ、赤キャベツは粗めのせん切りにする。グリーンアスパラを入れる場合は、根本の堅い部分を切り落とし下半分ほど皮をむき、鍋にたっぷりの水と塩少々(分量外)を入れて沸かし、ゆでる。そのほかの具材も用意する。
2 【MENU①】 の1~5と同様に行う。
【MENU③】
まぐろの刺身とおくらのそば寿司
材料(1本分)
● 田舎そば | 60g |
● のり | 1枚(約縦24×横19cm) |
● 油 | 小さじ1/2 |
● まぐろ(刺し身用) | 約50g |
● おくら(ゆでたもの) | 3~4本 |
● 青じそ | 2枚 |
<わさびしょうゆ> | |
● ねりわさび | 適量 |
● しょうゆ | 適量 |
つくり方
1 おくらは、塩ゆでし、薄い小口ぎりにする。まぐろは、1cm角の棒状になるよう、カットする。青じそは1枚を4等分にカットする。
2 【MENU①】 の1~5と同様に行う。※そばの上に青じそを敷き、おくらとまぐろを乗せて包むように巻く。
器好きのyuki’s pick
器が好きで、自宅にもいろんなサイズや種類の器をもっています。レシピ本や雑誌でのお仕事をさせていただく際にも、器選びはとっても大切ですし、とくに寿司はお皿選びや盛り付けでかなり雰囲気も変わります。ちょっとだけ、今回の盛り付けのために選んだお気に入りの器たちを紹介しますね。
【MENU①】
「えび天茶そば寿司 さっぱり梅ソース」の器
えび天には、鮮やかな朱色の塗りのお皿に円を描くように並べてみました。お皿の色がえびの尻尾の橙色とマッチしていて、茶そばの淡い緑と貝割れ大根の鮮やかな緑がアクセントになります。
【MENU②】
「サラダそば寿司」の器
野菜巻きは、食材のカラフルな色を引き立てたいので白いお皿をセレクト。楕円形の器は、もてなしの大皿としても重宝しています。ほかの器とも相性がいいシンプルなデザインで、テーブルコーディネートの邪魔になりません。洋食も和食にも合うのがとても便利ですよ。ちなみに、こちらは、母が手づくりした30年以上前の器。子ども時代の思い出がいっぱい詰まった大切なお皿です。
【MENU③】
「まぐろの刺身とおくらのそば寿司」の器
田舎そばを使ってちょっと落ち着いた感じに。器はイギリスの作家の作品で、素朴な素材と色が、お寿司を引き立てくれます。私はおくらが大好きで、おくらとまぐろ漬け丼も大好物。その食材から生まれたおすすめレシピです。おくらの断面の星形が、盛り付けのかわいいアクセントにもなります。
Yuki Gomi(ごみ・ゆき)
料理家、料理講師、フードライター。日本生まれ日本育ち。2004年に渡英し、現在は建築家の英国人夫と一児の母としてイギリス・ロンドン在住。コルドン・ブルー 全科終了後、プライベートシェフからシカゴ、イギリスで日本食を広め、ヨーロッパ、中東などでも活躍。現在は「Yuki’s kitchen 料理教室」オーナー、イギリスの料理学校でのゲストシェフや現地の料理雑誌や新聞、ラジオやテレビにて活動中。元気が出る、ワクワクするようなレシピ。和食の旨みや現地の素材を活かした季節感のある食生活を、世界中のどこからでも可能にしたいのが夢。著書に『Sushi at Home』(ペンギン出版)あり。
HP:www.yukiskitchen.com
Instagram:@yukiskitchen
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『Sushi at Home: The Beginner's Guide to Perfect, Simple Sushi[English Edition/kindle版]』(Yuki Gomi・著/ペンギン出版)