• イギリス在住20年目の料理家Yukiさんから届く、ロンドン通信です。世界から見た日本食、ロンドンで話題になっている噂のメニュー、食べることの楽しみや発見など、食と健康にまつわるあれこれを現地から発信します。エッセイの後半に綴るYukiさんの、日本の外側から見た「逆輸入日本食レシピ」もぜひお試しください。今回のテーマは、簡単おしゃれなつくりおきさけのグラブラックスです。

    ロンドンのクリスマス

    ロンドンからこんにちは。いよいよクリスマスの季節ですよね。

    街は、イルミネーションとレストランやパブでのパーティで大賑わいです。

    12月1日からクリスマスムードが高まり、わが家でもツリーの飾りつけ、そして25日のクリスマスディナーに向けて、着々と準備が進んでおります。

    ロースト肉の店へのオーダーも終わり、クリスマスに向かってテンションもアップ。

    ロンドンでは、それぞれの家庭によって、メニューやケーキが若干異なるんですよ。多国籍の街ならではのクリスマスの楽しい風景ですね。

    おしゃれでおいしいカナッペに

    画像: おしゃれでおいしいカナッペに

    毎年欠かせない一品が生鮭とディルのグラブラックスです。イギリスでは刺身用の新鮮で油の乗ったさけが簡単に購入できるので、私は一度に1kg以上を前もって漬けておきます。

    クラッカーに乗せておつまみに。サラダと一緒にすれば、前菜の一品にも早変わり。お正月の一品にもピッタリで日本酒にもよく合いますよ。

    しかも、わが家特製のマスタードとディルのソースはほんのり甘辛く、サーモンとの相性は抜群なんです。今回のレシピは、いつもの半分の量500gで紹介します。

    それでも多い気がするかもしれませんが保存食として冷凍可能で、おもてなしの一品としても活躍するので、ぜひつくってみてくださいね。

    yuki家のハッピークリスマス

    実は、クリスマスは、夫の誕生日。わが家では二部にわたってのお祝いになります。

    朝食は、簡単に。コーヒーや紅茶とミンツパイ(英国クリスマス伝統菓子、ドライフルーツで出来た小さなタルト)など。食べ終わったら、クリスマスプレゼントの交換です。両親、家族からも届きます。日本からのプレゼンはとても嬉しいものです。

    ランチに、いよいよ「グラブラックス」が登場します。サラダと一緒に、シャンペンで軽い軽食。ターキー(七面鳥)やグース(ガチョウ)などの肉をオーブンに入れてロースト開始。わが家は5kgのグースの肉を使います。

    近くの公園や、林に散歩へ。歩いていると近所の方々に出会うので「メリークリスマス」のあいさつも兼ねています。時間があればサクッと近所のパプへも。パブで会った方たちとも、ハッピークリスマスで乾杯。

    午後

    いよいよ準備にも力が入ってきます。ロースト用の野菜をオーブンへ。白にんじんなどの根菜、じゃがメインでローズマリーと一緒に、塩麹やたまねぎ麹を入れてローストするのが私流。

    午後3時、キングのスピーチがテレビで放送されるのをきっかけに、パーティ開始。夫の誕生日を祝い ローストグースと野菜、茹でた芽キャベツや緑野菜、などでクリスマスローストディナーの始まりです。

    食後は、ボードゲームやカードゲームをしてゆっくりと時間が流れていきます。

    ロンドンのクリスマスは、食べて飲んでワイワイと楽しめ、家族全員で一緒に過ごせる貴重な日です。日本のお正月みたいな感じかな。

    市内は信じられないほどの静けさで、たまにはそんな落ち着いたロンドンで過ごすのも素敵です。

    それではみなさまも、ハッピークリスマスと素敵な年末年始をお過ごしください。

    Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

    画像1: Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

    材料(つくりやすい分量)

    ● サーモン(刺し身用、皮付き)500g
    ● 黒こしょう※小さじ2
    ● 三温糖大さじ1・1/2
    ● 粗塩大さじ1
    ● ディル1カップ
    <ディルのマスタードソース>
    ● フレンチマスタード(ディジョンマスタード)小さじ1
    ● はちみつ大さじ1
    ● りんご酢小さじ2
    ● オリーブオイル大さじ2
    ● ディル (葉部分のみみじん切り)大さじ1

    つくり方

     サーモンを半分に切る。ディルは約2cm幅で茎ごとざっくりと切る。

    画像2: Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

     すり鉢にブラックペッパーと塩、砂糖を入れ、すりこぎでよく混ぜる。

    画像3: Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

     の表面をキッチンペーパーで軽く拭き、ぬめりを取り、30cm程に切ったサランラップの上に、1切れ皮部分を下にして置く。混ぜ合わせたの半量をサーモンの表面に軽くすり込み、その上にディルを散りばめる。

    画像4: Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

     もう一切れのサーモンも同様にぬめりを取り、の残りの半量をすり込んだのち、皮が表側にくるよう、重ね合わせ、ラップで包み込む。

    画像5: Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

    4 バットやタッパーのような少し深い容器に入れ、その上に小さなまな板や皿などを乗せて、重しをおく。マスタードの瓶などを乗せて重し代わりにしてもいい。冷蔵庫で24時間保冷する。底に溜まった水分を捨て、それを2、3日繰り返す。

    5 ディルソースをつくる。ソース用のすべての材料を混ぜて、冷蔵庫で保存する。3日ほどで使い切ってください。マスタードの量はお好みで調整してください。

    画像6: Yuki流クリスマスのためのつくりおきメニュー「グラブラックス」

    ※ディルソースの代わりに、クリームチーズと一緒にいただくのもおすすめです。黒こしょうの代わりに白こしょうでも代用できます。半量ずつ混ぜてもおいしいです。

    塩漬けされたサーモンは水分が抜けて、締まった身になっているはずです。軽く水で洗い流してキッチンペーパーなどで水気を拭き取ります。保存期間は、冷蔵庫で3日間。残りは冷凍してください。

    Yuki’s memo

    薄く切ってサンドイッチの中身にしたり、トーストやクラッカーに乗せてカナッペでおもてなしも。お刺身の様に少し厚めに、平造りでソースと一緒にシンプルにいただくのもおいしいですよ。



    画像: クリスマス3日前のつくりおき。パーティを盛り上げる「サーモンのグラブラックス」/Yukiのロンドン通信「今日のごはん、何にする?」

    Yuki Gomi(ごみ・ゆき)
    料理家、料理講師、フードライター。日本生まれ日本育ち。2004年に渡英し、現在は建築家の英国人夫と一児の母としてイギリス・ロンドン在住。コルドン・ブルー 全科終了後、プライベートシェフからシカゴ、イギリスで日本食を広め、ヨーロッパ、中東などでも活躍。現在は「Yuki’s kitchen 料理教室」オーナー、イギリスの料理学校でのゲストシェフや現地の料理雑誌や新聞、ラジオやテレビにて活動中。元気が出る、ワクワクするようなレシピ。和食の旨みや現地の素材を活かした季節感のある食生活を、世界中のどこからでも可能にしたいのが夢。著書に『Sushi at Home』(ペンギン出版)あり。

    HP:www.yukiskitchen.com
    Instagram:@yukiskitchen

    <写真/yuki>

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