トマトの薬膳的効能ついて
トマトは、体の渇きを止めて潤いを生み出したり、熱を冷まして暑気あたりをやわらげたりするほか、胃腸の働きを活発にして消化を促す働きがあり、夏バテや乾燥、食欲不振、胃もたれなどにおすすめです。
また、カロテノイドの一種のリコピンが豊富で、活性酸素を消去する抗酸化力の高い食材ですから、夏の強い紫外線から身を守るのに最適です。
リコピンは脂溶性なので、油と一緒に調理すると吸収率がアップします。
【発酵食】トマト麴のつくり方
グルタミン酸などのアミノ酸がたっぷり含まれるトマトに、米麹を合わせて発酵させた万能調味料です。
これがあれば、だしやコンソメなどを使わなくても味に深みが出ますし、うま味が強いので、ほかの調味料も減らせて本当に重宝します。
パスタをさっとあえるだけでもおいしいですし、トマトソースやケチャップの代わりにも。お酢を加えて赤いドレッシングにしてもきれいです。
豚のかたまり肉や鶏肉などをつけ込んでおけば、麹の酵素の働きでしっとりやわらかくなり、消化を助けてくれますよ。
材料(つくりやすい分量)
● トマト | 100g |
● 米麹(生) | 100g |
● 塩 | 30g |
つくり方
1 トマトはみじん切りにするか、ミキサーにかける。
2 すべての材料をよく混ぜ合わせて、熱湯消毒した保存容器に詰めてふたを軽くしめる。ふたをきっちりしめると、発酵で生じたガスがたまり、ふたが飛ぶことがあるので注意。
3 常温におき、一日1回よくかき混ぜ、夏は3~4日ほどおく。
※冷蔵庫で2週間ほど保存可能。
※でき上がってからミキサーなどでペースト状にしても使いやすい。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」