何年もつくり続けてきた焼き菓子
3年前、東京から神奈川県・鎌倉市に拠点を移した山下りかさん。
ライア奏者として演奏やワークショップを開催している山下さんにとって、お菓子づくりは長年、続けてきたことのひとつ。
「明日の朝ごはんに」と思い立ち、夜時間にパウンドケーキやグラノーラを仕込むことがよくあるのだとか。
今回は、数あるレパートリーの中からパウンドケーキとグラノーラをつくってくださいました。
基本のレシピに自分ならではのアレンジを加えて
パウンドケーキは粉の風味とやさしい甘さのなかに、ほんのり香る風味が。
聞けば手製のローズシロップが少量、入っているのだとか。
「代わりにレモンチェロを入れることも。砂糖は三温糖を使っています」
また、ザクザクとしたグラノーラはサンフランシスコに住んでいたときによく通っていた、グロッサリーのグラノーラの味を再現したもの。
「油とメープルシロップをミックスさせています。ほんのり塩が効いていることと、ピーカンナッツがポイント。この歯ごたえがいいんです」
秋の夜長に欠かせない、楽器を奏でる時間
焼き菓子をつくるほかに欠かせないのが音楽と向き合う時間です。
ライア奏者として演奏会やワークショップを行う山下さん。
秋はとくに音色が内側に響く季節だといわれていて、楽器を手にすることが多くなるのだとか。
ライアのほかにも、掌サイズの小さなシンバルや、自ら木を削ってつくった楽器「クラベス」など、音にまつわるものがいくつもあり、その音色をひとつひとつ披露してくれました。
秋の夜長に響くかわいらしい音色が、そっと心に響きました。
「あ・うん」の呼吸で素敵な写真に仕上げてくださったフォトグラファー・砂原文さん、山下りかさん、ありがとうございました。
〈撮影/砂原 文 取材・文/結城 歩〉
※山下りかさんほか、横田頼子さん、仁平里帆さんによる「秋の夜長のコツコツ仕事」は、『天然生活』2023年10月号、P.42~47に掲載されています。
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山下りか(やました・りか)
スタイリストとして雑誌『オリーブ』のスタイリングなどを手がけたのち、渡米。長男・長女を出産後、シュタイナー教育と出合い、それがきっかけで、のちにライア奏者となる。シュタイナーの考え方から学んだ音楽や季節の手仕事にも造詣が深い。現在は響きと声の手仕事のワークショップを多数行っている
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