• エッセイストで空間デザイン・ディレクターの広瀬裕子さん。60歳を前に、歳を重ねるなかで出てくるさまざまな課題や考えなくてはいけないこと。たとえば住まいのこと、仕事のこと、⾝体のこと。ひとつひとつにしっかり向き合い、「心地いい」と感じる方へ舵を取る広瀬さんの毎日。そこから、60歳までにこうなりたい、という目標と取り組みを同世代や下の世代の方とシェアしていけたらと思っています。服を買わないと決めて、クローゼットを見直した広瀬さん。数を決めて整えることに。

    新しい服を買わずに1年半

    新しい服を買わなくなり1年半がすぎました。その間、⼿にしたのは浴⾐⽤の帯です。こちらは浴⾐を着るためにどうしても必要になり、ずいぶん考えたのち購⼊しました。それ以外は、それまでの服だけがクローゼットにはいっています。

    服を買わなくなり改めて思ったのは「それでも⼗分服がある」「もっと少なくていい気がする」ということです。「服欲」が満たされないと思っていたのに、実際はその反対で「減らしたい」という気持ちになりました。そんな気持ちの動きもあり、服の「数」を決めることにしました。⾃分が持っていて気持ちのいい服の数──枚数を決めることにしたのです。

    服の数は1または素数に決めた

    数を決めるルールは、⾃分にとって「必要な数」と⾃分的に「すきな数」にしました。わたしは素数がすきなので、服の数を1または素数にすることにしました。これを⾔うと「え?!」と⾔われるので、⾃分ひとりの胸に秘めたルールです。

    画像: 日常的に着るTシャツは「無印良品」。シーズンが変わってもデザインが大きく変わらないため統一感がある

    日常的に着るTシャツは「無印良品」。シーズンが変わってもデザインが大きく変わらないため統一感がある

    Tシャツなど、暑い季節、毎⽇着るものは5枚。3シーズン着るブラウス的なものも5枚。下着は5枚または7枚。そのなかで「これはもう着ない」というものは⼿放し、数的には素数ではないけれど、すでにあり置いておきたいものはそのままにしました。こういうところはあまり厳密にしていません。

    わたしのクローゼットの中身

    いまクローゼットにあるのは、薄⼿のパンツ3本(ウール)、厚⼿のパンツ1本(ウール)、ワンピース3枚(ウール・コットン)、ロングスカート1枚(コットン)。セットアップ2セット(コットン、ウール)。⻑袖ニット3枚、半袖・ノースリーブニット3枚。薄⼿のコート1枚、真冬⽤のコート1枚。などです。その他、何か作業するとき(引っ越しなど)⽤に着られるニットやパンツ。

    画像: ニットは「ジョンスメドレー」。同じブランドにしているのは、長袖・半袖・ノースリーブ+カーディガンとアンサンブルで着られるため。肌ざわりがとてもいい

    ニットは「ジョンスメドレー」。同じブランドにしているのは、長袖・半袖・ノースリーブ+カーディガンとアンサンブルで着られるため。肌ざわりがとてもいい

    画像: パンツは「アーツアンドサイエンス」のウールのもの。3シーズンまたは4シーズン履けるような生地を選択

    パンツは「アーツアンドサイエンス」のウールのもの。3シーズンまたは4シーズン履けるような生地を選択

    画像: 薄手の軽いコート(左)は「アーツアンドサイエンス」、厚手の真冬用は「フルーツオブライフ」

    薄手の軽いコート(左)は「アーツアンドサイエンス」、厚手の真冬用は「フルーツオブライフ」

    さっとはおれる薄いダウンベストとダウンもあります。服を⼿放す時の基準としては「違和感がある」ということの他、重い、窮窟、肌ざりがよくない、体型をカバーできないなど、⾃分にとってマイナスになるものを減らすことにしました。服のサイズは変わらなくても、腕まわりなどの変化できつく感じたり、腰の辺りがツレたりします。そういうものは着なくなりがちなので⼿放しました。

    違和感のある服を減らすと、好きな服だけが残った

    服が最も多かったのは40歳前後です。ウォークインクローゼットの⽚側⼀⾯は服がかかっていました。その頃に⽐べると1/3になりました。もっと少ない⽅もいると思いますが、何⼗枚もTシャツを持っていた過去を思うと、ずいぶん少なくなりました。

    やわらかな⽣地で、少ない数を持ち、クリーニングや洗濯をしながら清潔に着る。そうしていくともう少し服の数は減らせそうですし、髪の⾊が変わったらまた変化するでしょう。

    服は、その時その時の⾃分と時代の空気や感性とリンクしています。そんな空気を楽しみつつ「かろやかに」と思います。

    60歳までのメモ

    1 ⾃分に必要な服の数を⾒直してみる

    2 必要とともに「あるとうれしい」を考えてみる

    3 持っている服の数や種類を把握しておく

    4 装いは無理をしない(寒い暑いに気を配る・重いきついにも素直に)

    5 清潔感を⼤切に


    画像: 違和感のある服を減らすと、好きな服だけが残った

    広瀬裕子(ひろせ・ゆうこ)

    エッセイスト、設計事務所岡昇平共同代表、other: 代表、空間デザイン・ディレクター。東京、葉山、鎌倉、香川を経て、2023年から再び東京在住。現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどの空間設計のディレクションにも携わる。近著に『50歳からはじまる、新しい暮らし』『55歳、大人のまんなか』(PHP研究所)他多数。インスタグラム:@yukohirose19
    10月13日(金)19:00〜無印良品吉祥寺マルイで、トークイベント予定。



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