いちじくの薬膳的効能ついて
いちじくは薬膳では、大腸を潤したり、下痢や便秘を改善したりする整腸作用や、胃腸の調子を整えて消化吸収をよくする作用、肺を潤し、のどや皮膚の乾燥、声がれなどを改善する作用があるとされます。
熟した果実を乾燥させたものは「無花果(むかか)」、葉を乾燥させたものは「無花果葉(むかかよう)」と呼ばれる漢方の生薬で、便秘やのどの痛み、冷えの改善などに利用されています。
西洋栄養学的でも、水溶性食物繊維のペクチンやミネラル、たんぱく質を分解する酵素フィシンなどが含まれ、薬膳的な効能を裏づけています。
また、女性によいともいわれています。これは、女性ホルモンに似た働きをする植物性エストロゲンや抗酸化作用が高く、老化防止にも役立つアントシアニンが含まれているからです。
葉や軸を切ると乳白色の液体が出てきますが、これにはイボや痔を改善する働きもあるとされます。
【保存食】いちじくのはちみつコンポートのつくり方
「不老長寿の果物」「女性の体によい」といわれるいちじく。聖書にも登場し、古くから栄養豊富な果物として知られています。
いちじくの中にある、白くやわらかいプツプツとした部分は花。果実の中に花を咲かせ、外側からは花がないように見えるため、漢字で「無花果」と名づけられているそうです。
そのまま食べてもおいしいいちじくですが、あえものやサラダ、スープ、揚げ物など、料理にもいろいろ大活躍します。今回は、白ワインとはちみつで軽やかに煮た、香り高いコンポートにしました。薄いピンク色のシロップも絶品ですから、ヨーグルトにかけたり、炭酸で割ったりしてぜひ味わってください。
材料(つくりやすい分量)
● いちじく | 4個 |
● はちみつ | 大さじ1 |
● レモン汁 | 小さじ2 |
● 塩 | 少々 |
● 白ワイン | 大さじ3 |
つくり方
1 いちじくの軸は取り、小鍋に重ならないように並べる。
2 1にはちみつと塩、レモン汁、白ワインを加えてふたをし、弱火で10分ほど煮る。
3 途中で上下を返し、全体に火を通す。火を止めてコンポート液につけたまま冷まし、シロップごと熱湯消毒した保存容器に移す。
※冷蔵庫で約1週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」