(『パウンドケーキ無限レシピ』より)
焼きいもパウンドケーキのつくり方
生のさつまいもではなく、焼きいもを使うことで、しっとりとした甘さを手軽に楽しめます。フロスティングをのせて、めりはりを利かせましょう。
材料(パウンド型1台分)と下準備
● バター(食塩不使用) | 95g |
▶常温に戻してやわらかくする | |
● きび砂糖 | 90g |
● 全卵 | 90g(2個分弱) |
▶フォークでほぐし混ぜ、70℃ほどの湯せんにかけて40℃ほどに温めておく | |
● 粉類 | |
・薄力粉 | 105g |
・ベーキングパウダー | 2g |
▶︎合わせる | |
● 焼きいも | 60g+ 50g |
▶︎60gは皮をむき、フォークの背で潰してペースト状にする | |
● 黒いりごま | 5g |
● フロスティング | |
・クリームチーズ | 100g |
▶︎常温に戻す | |
・グラニュー糖 | 25g |
▶︎ボウルにクリームチーズを入れ、ゴムべらで混ぜてなめらかにし、グラニュー糖を加えて、完全になじむまですり混ぜる | |
▶︎型にオーブン用シートを敷く | |
▶︎オーブンは天板ごと180℃に予熱する |
つくり方
1 ボウルにバターを入れ、ハンドミキサーの高速でなめらかになるまで1分ほど混ぜる。
2 きび砂糖を加え、ふわっとして白っぽくなるまで2~3分混ぜる。
3 卵を5回ほどに分けて加え、そのつどつやが出て筋が見えるようになるまで30秒~1分混ぜる。
4 粉類をふるいながら加え、片手でボウルを手前に回しながら、ゴムべらで底から大きくすくい返すようにして20回ほど混ぜる。ボウルの側面の生地を落とし、ペースト状にした焼きいも60gと黒いりごまを加え、さらに10回ほど混ぜる。粉けがなくなればOK。
5 型に4 を入れ、残りの焼きいも50gを手でちぎって散らし、予熱完了後に170℃に下げたオーブンで45~50分焼く。10分ほどがたち、生地の表面に膜ができたら、水で濡らしたナイフで中央に切り込みを入れる。
6 竹串を中心部に刺してもなにもついてこなければ焼きあがり。型ごと高さ10cmほどから2回落とし、オーブン用シートごと取り出して、網にのせて冷ます。
7 6 が完全に冷めたらオーブン用シートをはずし、上部にゴムべらでフロスティングを塗り広げる。
Note
◎焼きいもが入るので生地の総量は通常から10%ほど減らします。ただし焼きいもは沈みやすいので、粉類の分量は減らさずに、しっかりとした生地にしています。また、ペースト状になった焼きいもが入って重くなるので、ベーキングパウダーは通常の2倍にしています。
◎焼きいもの風味に合わせてきび砂糖を使っています。
◎焼きいもは買ってきたものでもいいですし、もちろん自分で焼いたものでも構いません。
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本記事は『パウンドケーキ無限レシピ』(主婦と生活社)からの抜粋です
〈料理/加藤里名 撮影/福尾美雪 スタイリング/岩﨑牧子〉
加藤里名(かとう・りな)
菓子研究家。大学卒業後、会社員として働きながら「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」でフランス菓子を学び、退職後に渡仏。パリのLE CORDON BLEUの菓子上級コースを修め、その後は人気パティスリー、LAURENT DUCHÊNE にスタージュとして勤務。帰国後の2015年より東京・神楽坂にて「洋菓子教室SUCRERIES」を主宰。著書や雑誌などでレシピを発表するほか、オンラインで販売している焼き菓子はすぐに完売してしまうほどの人気ぶり。著書に『そのまま食べてもおいしい! ふわふわスポンジ生地のお菓子』『あれもこれも作れる! パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』『ナンバーケーキ』(すべて主婦と生活社)、『はじめてのクッキー缶』(家の光協会)、『レモンのお菓子づくり』(誠文堂新光社)など。
◇ ◇ ◇
この本の目的は2つあります。第1には、おいしいパウンドケーキをつくれるようになること。そして第2には、レシピを自在に応用・展開できるようになることです。
パウンドケーキは比較的つくりやすい焼き菓子です。手近にある食材や旬のくだものを組み合わせて、思い立ったらすぐにつくれるような気軽さと包容力がパウンドケーキにはあります。しかしそれでもやはりおいしくつくるためにはこつがあって、まあ、多少ふくらまなくても自分でつくったお菓子はおいしいものですが、まるでプロが焼いたかのようなものができあがれば、それだけつくる喜びは高まることでしょう。
本書では、具材や液体を加えた際の粉類の量や砂糖の量をルール化し、一般家庭でもつくりやすく、失敗しにくい配合をご紹介しています。まずは基本のつくり方に慣れていただきたいと思います。そのうえで、次の段階として、好みの食材でアレンジしてみてください。最初はもしかしたら失敗してしまうかもしれませんが、2度目、3度目にはきっとおいしく焼き上がるはずです。
その瞬間に、あなたの「無限レシピ」は始まります。さまざまなレシピ、さまざまな食材に挑戦するうち、気がつけばあなたはパウンドケーキの本質を掴んでいることでしょう。それは文字では伝えきれない、あなただけの大切な感覚です。季節の恵みを存分に生かしながら、パウンドケーキづくりを楽しんでください。