(『アメリカ菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』(誠文堂新光社)より)
レモンの皮と果汁をたっぷり使った「レモンバー」
ショートブレッドにレモンカード(卵や砂糖にレモン果汁を混ぜ合わせたスプレッド)を重ねてつくるレモンバーはアメリカの人気のお菓子。
レモンの皮を混ぜ込んだ生地と、レモン果汁をたっぷり使った甘酸っぱいフィリングがよく合います。
日常のおやつとして、ホリデーシーズンのお菓子として、あらゆるシーンで喜ばれる一品です。
レモンバーのつくり方
搾りたてのレモン果汁をたっぷり使う、カフェの定番メニュー。
トップにラベンダーを散らして、華やかさを添えて。
材料(15cm角の角型1台分)
〈生地〉 | |
● バター(食塩不使用・室温) | 60g |
● A | |
・グラニュー糖、または粉砂糖 | 20g |
・レモンの表皮(国産無農薬、すりおろす) | 1個分 |
・バニラオイル | 少々 |
● 薄力粉 | 90g |
● 塩 | 小さじ1/6 |
〈フィリング〉 | |
● 卵(Mサイズ) | 2個 |
● グラニュー糖 | 100g |
● 薄力粉 | 大さじ2(15g) |
● レモン果汁 | 70g |
● 粉砂糖 | 適量 |
● ラベンダーの花(食用) | 適量 |
つくり方
1 〈生地〉 ボウルにバターを入れ、シリコンベラで混ぜてクリーム状にする。Aを加えて滑らかになるまで混ぜ、薄力粉と塩を合わせてふるい入れ、練らないように混ぜる。
2 オーブンペーパーを敷いた型に1を入れる。表面にラップを張り付け、ひと回り小さな角型の底などで押し広げながら平らに整える。冷凍庫で15分冷やし固める。
3 ラップをはずし、表面全体にフォークで穴をあける。170℃に予熱したオーブンで18分焼く。軽く焼き色がついたら網に取り、オーブンを160℃に下げる。
4 〈フィリング〉 3を焼いている間に作る。ボウルに卵を入れ、グラニュー糖を加えてホイッパーで混ぜる。滑らかになったら薄力粉をふるい入れ、レモン果汁を加えて滑らかになるまで混ぜる。
5 3が焼けたらすぐに4を静かに流し入れ、160℃のオーブンで20分焼く。型を揺らした際、表面が動かなければ焼き上がり。型のまま網に取り、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、しっかり冷やす。
6 型からはずし、四方を包丁で薄く切り落としてから9等分にカットする。茶漉しで粉砂糖をたっぷりふり、ラベンダーの花を飾る。
※ 本記事は『アメリカ菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』(誠文堂新光社)からの抜粋です
<レシピ・撮影・スタイリング/原 亜樹子>
原 亜樹子(はら・あきこ)
菓子文化研究家。米国高校へ留学。日米の高校を卒業後、東京外国語大学へ進学し、食をテーマに文化人類学を学ぶ。国家公務員として特許庁で勤めた後、菓子文化研究家へ転身。『アメリカンクッキー』(誠文堂新光社)、『アメリカ郷土菓子』(パルコ出版)、『シートケーキとレイヤーケーキ』(東京書籍)ほか、アメリカの食に関する著書多数。
インスタグラム:@exploring_american_food
ウェブサイト:https://haraakiko.com/
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自然と歴史と人々の暮らしによって育まれた、郷土色豊かでおいしく楽しい115品のアメリカ菓子のレシピとその物語。広大で自然豊かな国土から生み出される豊かな食材に加え、時代ごとに各地域に住んできた人々の影響を大きく受けて発展してきたアメリカの菓子文化。
ヨーロッパ人の到達前から各地域に住んできた人々によって作られてきた伝統的な菓子、入植してきた移民によってもたらされた世界各国の郷土菓子、また南北戦争以前の南部の奴隷制度によるアフリカ由来の菓子。これらがときに混じり合い、またそれぞれの形を保ったまま、現代のアメリカ菓子の礎となってきました。
本書では、そんなアメリカ菓子の特徴や作り方(レシピ)を、菓子文化研究家として多数のアメリカの食に関する著書を持つ原 亜樹子さんが解説。
アメリカ合衆国を6つの地域に分類し、さらに細かく50の州に分け、各州の郷土菓子や名物菓子を、その背景となる歴史や食文化を踏まえて紹介します。