朝にたくさん食べられない人は、おやつ・間食でタンパク質補給を
みなさん、こんにちは。
寒い毎日ですが、朝ごはんはきちんと食べられていますか?
わたしにとっては、朝ごはんを食べることはようやく身につけた習慣で。ときによっては挑むような気持ちで必死になっている自分にびっくりすることもあります。
もちろん、おいしくもりもり食べる日もありますが、あまり食べたくない日もあります。それでも、疲れやすくなってきた体をなんとか元気にしたい! と必死の思いで始めて効果も感じられている食事法なので、食欲のない日も元気の出ない日も、とにかく薬だと思ってタンパク質をがんばって食べてきました。
でも正直に言うと、ときどき、朝ごはんを楽しめているのかすらわからなくなることがあります。
そんなときにはムリをせずに、チートデーとしてドーナツ&コーヒーを楽しんだり、軽いおめざで朝ごはん代わりにすることも。
そうしたときにタンパク質不足を補うための工夫があるのですが、その食習慣がしっかり身についてきていたな、と気づいたのがつい先日のこと。70代の母の家で数日間を過ごしたときでした。
母はもともと食も細く、朝にも弱く、肉も卵もあまり好きではない。そんな母にタンパク質を摂らせるのにはひと苦労! しっかり朝ごはんなど、もちろん食べられるわけもありません。
それでも「よいしょ」とがんばって、ごはんのときには何とかタンパク質食材を少しだけ摂るのですが、それだけ。
朝、昼、晩にちょっとだけタンパク質をとり、合間にお菓子や果物を食べるものの、1日の総カロリーや総タンパク質が足りていないのは明らかでした。
かたや、一緒に過ごすわたしはというと。ちょっとお腹が空いたと冷蔵庫を開けてはカニカマやちくわを1本かじり、温泉卵をすすり、飲むヨーグルトを飲み……という「ながら食べ」。
そのつまみ方が習慣になっているわたしとでは、タンパク質摂取量の差は大きいようです。しょっちゅう何かを食べているわたしに、母は呆れ気味ではありましたが!
そんなうちの母のように、朝にたくさんタンパク質のものを食べるのはしんどい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「朝ごはんにタンパク質を!」とおすすめしているこの連載の主旨とはやや外れてしまうのですが、この「間食にはタンパク質」について、考えてみたいと思います。
そもそも、朝ごはんにタンパク質を摂る必要があるのは、タンパク質はこまめに補給する必要があるからです。
食べた分のタンパク質が消化されたあとには、体内の筋肉などに蓄えられているタンパク質が体の活動に充てられるようになります。
つまり、タンパク質をきちんと補給しないと、自分の身を削って体を動かしている状態になってしまうのです。
それゆえ、前回の食事からの時間が長く空く朝ごはんには、体内もからっぽ。そのからっぽを補給しないで1日をスタートすると、体がどんどんすり減ってしまうらしいよ、という話を以前よりずっとお伝えしています。
70代の母にははっきりとは言いづらいですが、ただでさえ老化が加速する年ごろなのに、自分の体をすり減らしているだなんて大変なリスクです。でも本当は70代に限らず、50代のわたし、もっと若い方々にも同じことがいえます。
そこで、朝にしっかり食べられない人におすすめなのが、ちょこちょこ食べるおやつ方式。
ごはんどきに限らず、ちょこっと補給する感じで間食を摂ると、体がからっぽになることは避けられるのではないかと思います。
なんとなく食べてしまう「ながら食べ」は、きちんと意識せずに食べ物を口にしているという意味ではダイエット的には大敵な食べ方なのですが、それを逆手にとってタンパク質摂取の機会とわたしは利用しています。
なんとなく口寂しいときに、チーズや納豆をおやつにすれば、おやつ欲も満たされ、タンパク質も摂取できます。
以前にもご紹介した「卵1個と同等のタンパク質」が摂れる食品をあらためてふりかえってみましょう。
「おやつ」という観点でみても、ちょこっと食べの間食にはぴったりなものばかりなんです。
卵1個とほぼ同量のタンパク質(6〜7g)を含む食材リスト
乳製品
・シュレッドチーズ 30g
・スライスチーズ 2枚
・ギリシャヨーグルト 60g(普通のヨーグルトなら 200g必要)
・牛乳/豆乳 200mL
大豆製品
・豆腐 1/2丁(ミニパック1個)
・納豆 1パック
・豆乳/牛乳 200mL
・油揚げ 1枚(写真なし)
加工品
・しらす 30g
・ウインナー 2本 /ハム 2枚
・ちくわ 2本
これなら食べられそうでしょう?
お菓子の代わりに摂れば、タンパク質不足も手軽に解消できます。
また、最近ではスナックや健康食品でもタンパク質強化製品が増えているので、好きな味のものを探してみてはいかがでしょうか。
おやつにちょこっと、ちくわ1本、ヨーグルトひとさじから始めてみませんか。
朝ごはんが食べづらい日には、巻きものやスープごはんがおすすめ
ちなみに、朝ごはんが食べづらいな、というときのおすすめは、巻きものにしてしまうこと。ひと口サイズになっていると、食べやすいかなと思います。手でつまめるのもよいですね。
あとはスープごはん、汁かけごはんも食べやすくておすすめです。
どちらも、子どもたちが幼い頃に朝ごはんを食べさせるためにしていた工夫なのですが、いまそれを、自分が食べたくないときに思い出して応用しています。
朝ごはんが食べづらい日の朝ごはん①
キンパ風のり巻き
焼肉風の肉の佃煮とサラダ菜でキンパ風に。ひと口サイズだとぱくっと手軽に食べられます。
韓国では朝ごはんからキンパを食べることがあるそうですが、この食べやすさには納得。具材もいろいろ変えられます。
朝ごはんが食べづらい日の朝ごはん②
オープン手巻き
もっと簡単なのが“オープン巻き”。つまり手巻きです。全形ののりを4等分し、ごはん少しと好みの具材をのせます。
おむすびよりはおかずが入れやすく、ごはんの量が少なくて食べやすいのもポイント。
朝ごはんが食べづらい日の朝ごはん③
卵サラダの生春巻き
やや番外編。ゆで卵をつぶしてマヨネーズで和えた卵サラダを生春巻きの皮で巻きます。
春巻きの皮に包まれているから、歯触りはもっちり。食感が楽しくてすいすいと食べ進みます。スイートチリソースをつけるとおいしい!
朝ごはんが食べづらい日の朝ごはん④
卵スープカレー
本当に食欲がないときのウルトラC。カレールーと水を電子レンジで温め、その中にゆで卵を入れてサラサラのスープカレーに。
スパイスの香りでさらりと食べられます。朝カレーで心なしか頭もすっきり!?
田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「忙しい人のための時短料理」「時間価値を生むシステム料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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