(『暮らしのまんなか』vol.37より)
【徳家のストーリー】食卓が暮らしのまんなか
家で一緒にごはんを食べると、すぐに仲良くなれる。そんな友達の存在がワンオペ育児の支えに
「人を招いて一緒にごはんを食べると、役割を脱ぎ捨てた自分の素をわかってもらえる気がします。何が好きとか、どう暮らしているとか、丸ごと見えちゃうけれど、ありのままでいると相手も気持ちをゆるめてくれます。外で会うより打ち解けやすくて深い話までできる。私はそういった素のままでつきあえる人間関係に産後の育児を支えてもらいました」
家事の負担をなくす、わが家の献立パターン
マイルール① タンパク質は日持ちのするもの中心
塩などをまぶした豚肉や鶏肉、桜えび、ソーセージなど料理にコクを出すもの、豆腐や下ゆでした豆などボリュームを出すものを冷蔵庫にストックしておくと、その日の野菜でさっと料理がつくれる。
マイルール② 簡単ホワイトソースのグラタン
1種類の野菜でも満足できるグラタンは子どもも大好き。ホワイトソースは材料をバターで炒めて小麦粉をふり、牛乳を加える簡単な方法か、じゃがいもやさつまいもの場合は生クリームをかけて代用。
マイルール③ 柑橘のしぼり汁でマリネをつくる
夫の実家の愛媛から届く野菜便には、柑橘系の果物もたくさん入っているので、それらを材料にマリネをつくると、まろやかな酸味でおいしく仕上がる。野菜はピーラーで切ると食感がよいし、簡単。
マイルール④ 残り野菜はとにかくスープに
平日の夜は娘とふたりの夕ごはんなので、おいしいスープがあれば満たされる。冷蔵庫にストックしてある塩豚や豆やソーセージを入れたり、蒸し鶏をしたときの汁を入れたりすれば、コンソメを使わなくてもおいしい。
マイルール⑤ 野菜とタンパク質を一緒に蒸す
ひとまず一緒に蒸したら、鶏肉にはレモンのしぼり汁を、青菜にはピーナッツソースをかけるなど、別々の味つけにすることも。「タンパク質は魚でもいいし、豆腐を蒸すとか、茶碗蒸しをつくるとか、変化をつけています」
<撮影/林 紘輝 取材・文/石川理恵>
徳 瑠里香(とく・るりか)
編集者、ライター。出版社で書籍編集を手がけたのち、フリーランスに。著書に『それでも、母になる: 生理のない私に子どもができて考えた家族のこと』(ポプラ社)があるほか、書籍、Webメディア、ブランドコンテンツを企画、編集、執筆。夫、6歳の娘と3人暮らし。
インスタグラム@rurikatoku
<訪ねた人>
石川理恵(いしかわ・りえ)
フリーライター・編集者/雑誌や書籍でインタビューを手がける。著書に『時代の変わり目をやわらかく生きる』(技術評論社)、『自分に還る 50 代の暮らしと仕事』(PHP 研究所)他。東京・豊島区のアパートの一室に「こころの本屋」を週末オープン。
インスタグラム@rie_hiyocomame
※記事中の情報は『暮らしのまんなかvol.37』本誌掲載時のものです
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一田憲子さんが編集を手がける『暮らしのまんなか』vol.38。暮らしの実例12軒でお見せします。
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2章は「私時間を過ごすリビング」。忙しい毎日のなかでは、家事や育児に追われていつの間にか「私自身」が迷子になりがちです。そんなときは、一番多くの時間を過ごすリビングを見直してみませんか? 本をじっくり読んだり、刺しゅうをしたりすれば、大事なものを思い出すことができそうです。
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