(『天然生活』2022年4月号掲載)
見た目の体形ではなく、自分が快適かどうかが大事
大事なのは「太らない」ことではなく、自分にとって過剰なものをきちんと見極められるようになること。そう池田さんは話します。
「アーユルヴェーダでは体質や気質は生まれながらの個性であり、人間はひとりずつ違っているものと考えます。太っていることは必ずしも悪いことではないし、もしやせている体形が本来の自分でないのであれば、無理してそうなる必要はないんです」
実は池田さん自身、カファ体質。思春期のころは太りやすいことがとてもコンプレックスだった時期もあったといいます。
「でもアーユルヴェーダに出合ってからは、体形で自分を否定しなくなりました。情報や他人の評価、見た目にふりまわされず、心身を整えて自分が快適と思える本来の姿になる。そして自分自身にとっての余分なものを知り、それを削ぎ落としていくことが大切なのだと思います」
生はちみつをなめる
基本的に「甘味」はカファを増やしてしまう味。ですが、はちみつだけは例外です。
「アーユルヴェーダでは、はちみつの甘味は“脂肪を削り取る甘味”といわれています。はちみつ本来の成分が含まれている生はちみつをぜひ選んでください。一日にとる量は、大さじ1.5〜2杯までが目安です。そのままスプーンにとってなめるのはもちろん、飲み物に甘味がほしいときに加えてもいいですね」
ガルシャナマッサージをする
カファの性質が強まり、体が重く感じるときは乾いた布で皮膚表面をこする「ガルシャナマッサージ」を。
きめのやや粗い絹手袋を両手にはめて行います。
「カファを沈静し、体を軽くする作用があります。おなか、お尻、太ももの順番で、代謝を活性化させるようなイメージで下から上にこすります。脂肪がたまりやすい部分を中心に刺激を与えましょう。血行が促進され、代謝も上がります」
抹茶を飲む
「苦味」は「辛味」「渋味」と並んでカファの「重くて冷たい」性質を減らす味のひとつ。
「苦味のある抹茶はうってつけの飲みもの。そのときの自分の体が欲している濃さにして飲んでください。抹茶がない場合は緑茶でも大丈夫です」
また、夏のイメージが強いカレーも、実はこの時季にこそ積極的に食べたい。
「辛いものもカファを減らします。とうがらし、山椒、花椒ホワジャオなどもおすすめ」
リバウンドのときのお助けアイテム
スパイスで胃腸調整
ターメリック、クミン、ドライジンジャー、コリアンダーのパウダーを小さじ1/4ずつ、オブラートに包んで飲むと消化を助けてくれる。
生のしょうがをかじる
食事の20分前に生のしょうが1スライスをかじると消化力が高まり、体内に未消化物をため込まない。生が苦手ならはちみつ漬けにしても。
シナモンウォーターを飲む
シナモンには脂肪代謝を上げる働きが。水にシナモンスティックを入れて煮出してつくるシナモンウォーターはほのかな甘味がおいしい。
<撮影/林 紘輝 取材・文/嶌 陽子>
池田早紀(いけだ・さき)
大学在学中の2002年、南インドでアーユルヴェーダに出合い、2006年よりアーユルヴェーダ・カウンセラー&セラピストとして勤務開始。2021年より軽井沢アネモネ院、2022年より東京の新サロン「atelier asha 211」をオープン。http://ayurveda-foryourlife.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです