心地よい暮らしって何でしょう?
心地よさってたぶん、「自分にぴったり」ということ。それがたとえ、ちょっぴり古ぼけて、ちょっぴりダサくても、自分にぴったりであれば、気にならない、むしろ愛しい。
ところが、自分にぴったりの暮らしって、どこにも売っていません。だから自分でつくらなきゃならない。
この世で一番の贅沢って、「おあつらえ、オーダーメイド」だと思うんです。だって、自分のためだけにつくられたものなんですから。でも、自分でやれば、お金はかかりません。
自分の暮らしを自分であつらえる楽しみ、始めませんか?
「収納」の中の「収納」を考える
爪切りや筆記具のような、いつも使う細かいモノの収納、困りものですよね。
いつも取り出せるところにあってほしいけれど、出しっぱなしにしたら散らかってタイヘン!
もちろん、いくつかの引き出しにおおざっぱに分けて、「この引き出しを探せば絶対にある」ようにしておけば、とりあえずは何とかはなります。
しかし、それではすぐに引き出しの中がゴチャゴチャになってしまい、目的のモノを探しあてるのに時間がかかってしまう羽目に……。
そんなとき役立つのが、引き出しの中を整理してくれる市販のツール。でも、自分にピッタリのグッズってなかなかないものです。
だって、ペンの本数も、使いやすいハサミの大きさも、家によって、人によって全然違うんですから。どこかに、自分専用の収納ツールはないかしら?
わが家では、リビングで使っている引き出しのサイズがややイレギュラーなため、市販のツールは使えません。そのため私は、引き出しの中を小分けする仕切りを、自分でつくっています。
といっても、やり方は簡単。
基本的に、「引き出しの中に箱を並べるだけ」です。「仕切り」だけつくっても、細かいモノは仕切りの下から越境してしまい、隣のモノと混ざってしまいがち。また、引き出しの中身を変えたくなったとき、融通が利きません。
写真の引き出しには、「切るもの(ハサミ、カッター)」「貼るもの(糊、接着剤、テープ)」「ゼムクリップ」「目玉クリップ」「画びょう」が入っています。
ゼムクリップと画びょうは、もともとそれらが入っていたケースを使っていますが、切るものを入れてあるのは、お弁当箱を買ったとき入っていた箱をそのまま利用したものです。
貼るものと目玉クリップが入っている箱は、ちょうどいいサイズが見つからなかったので、自作しました。
つくり方は、必要な箱のサイズを割り出し、市販のボール紙に展開図を書いて切り取り、組み立てたらテープで周囲をぐるぐる巻きにするだけ。
見た目は悪いですが、そもそも引き出しの中で使うものなので、箱の外側は見えなくなってしまうから、いいのです。
イチからつくるのが大変なら、つくりたいもののサイズに近い空き箱を真ん中から切って重ね、必要なサイズに縮めて貼り合わせる方法もあります。
100均などでピッタリの商品(シンデレラサイズ)があればいいのですが、探し歩くのは時間がかかるし、引き出しの中は、ほんの数ミリの違いで入らなかったりするもの。
また、プラスチック製品を増やすのもちょっと気がとがめるかもしれません。自作なら、よりローコストでエコな、最適サイズの仕切りが手に入ります。
この仕切り箱をつくるときは、引き出しの内寸を計って、それに合わせるのですが、内寸とまったく同じサイズでつくってしまうと、複数の箱を入れるとき、窮屈で入らなくなってしまいます。
特に、高さを内寸と同じすると、引き出しが閉まりません。仕切り箱の合計の大きさは、引き出しの内寸より気持ち小さめにしましょう。特に、手前側に入れる箱は必ず、高さを2、3cm低めに!
引き出しの中が思う通りに仕切れると、モノを戻すのがラクになります。同時に、モノを見失いにくくなり、探しものも減ります。
引き出しの中は仕切りましょう。ただし、自分にピッタリの方法で!
<マンガ/ハラユキ 撮影・文/金子由紀子>
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金子 由紀子(かねこ ゆきこ)
1965年生まれ。出版社での書籍編集者を経てフリーランスに。1973年、第一次石油ショックで大人たちの買いだめにショックを受ける。自らの出産・育児経験から「現実的なシンプルライフ」の構築の傍ら、All About「シンプルライフ」初代ガイドを務める。近著に『クローゼットの引き算』(河出書房新社)amazonで見る 、『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)amazonで見る 、『ためない習慣』(青春文庫)amazonで見る ほか20冊以上。
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ハラユキ
コミックエッセイスト、イラストレーター。書籍、雑誌、Web、広告などの分野でエッセイ漫画、挿絵イラストなどで幅広く活躍。2年間のバルセロナ滞在を機に海外取材もスタート。主な近著に、家事育児分担と家族のコミュニケーションをテーマとした「ほしいのはつかれない家族」(講談社)、うつの初心者向きガイド『だれでもみんなうつになる』(KADOKAWA)。家族をテーマにしたオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰。
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