キャベツの薬膳的効能ついて
中医学では、キャベツは胃腸の働きを助け、食欲不振、胃もたれ、ゲップ、胸のつかえ、胃痛などに有効とされます。
とくに胃粘膜を保護する作用が高いため、消化器系の潰瘍の予防などにも効果的です。
胃腸薬の「キャベジン」は、胃粘膜の再生や潰瘍の治癒に役立つビタミンUが豊富なことからその名がつけられました。
そのほか、ビタミンCや骨の健康づくりに必要なビタミンK、腸内環境を整える食物繊維、高血圧やむくみ予防になるカリウムなどが豊富に含まれ、加熱せずにつくられるキムチなら、これらの栄養素を壊さずにとり入れることができるのもメリットです。
【発酵食】キャベツの即席キムチのつくり方
キムチといえば白菜でつくるペチュキムチが代表的ですが、同じ葉物のキャベツでもつくれます。しっかり乳酸発酵させたキムチもおいしいけれど、サラダ感覚で食べられる即席キムチもおすすめ。
やわらかい春のキャベツとみずみずしい新玉ねぎでつくると、さっぱりと上品で、なめらかな口あたりに仕上がります。にらやにんじんなど、お好みで加えても。
材料(つくりやすい分量)
● 春キャベツ | 1/4個 |
● 新玉ねぎ | 1/2個 |
● 塩 | キャベツの重量の2% |
● にんにく | 1片 |
● しょうが | 1/2片 |
● はちみつ | 大さじ1/2 |
● ごま油 | 小さじ1 |
● ナンプラー | 小さじ1 |
● 韓国とうがらし(粉末) | 15g |
つくり方
1 キャベツの葉はざく切り、芯はそぎ切りにする。玉ねぎはせん切りにする。にんにくとしょうがはすりおろす。
2 キャベツに塩をふってもみ、10分ほどおいてから水けをしっかりしぼる。
3 ボウルに2を入れ、残りの材料をすべて加えてよく混ぜ合わせる。ひと晩おいて味がなじんだら、熱湯消毒した保存容器に移す。
※冷蔵庫で2週間保存可能。
※韓国とうがらしの代わりに一味とうがらし(5g・辛さは好みで調整)を入れても。色は薄いけれど、ピリリと引き締まった味わいになります。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」