(『天然生活』2021年11月号掲載)
一年中楽しめる定番の副菜「浅漬け」
「たくあん漬けや野沢菜漬けなどの『深漬け』もいいけれど、サラダ感覚で味わえる浅漬けは、一年中楽しみたい定番の副菜。食物繊維豊富な発酵食品を手軽に食べられる、うれしい存在です」
直売所で求めた大型野菜は、冷蔵庫に入れる前に「まず浅漬け」にすることも。
おいしく仕上げるコツは3つと横山さんは話します。
「基本は、仕込む前にきちんと計量すること。私も、いくら慣れていても目分量はせず、『野菜重量の2%の塩』を毎回計算しています。次に、重石は野菜の重さの3倍量を目安にすること。石がなければ水を入れたペットボトルなど、平たく重いもので代用できます。野菜から水分が上がったら少しずつ軽くしますが、野菜が水につかった状態を守ってください。最後に、大切にしたいのが調味料選び。精製されすぎていないものや、伝統の製法でていねいにつくられた調味料なら、おいしさをぐっと引き出してくれますよ」
でき上がった浅漬けはごま油をたらしてナムル風、炒めて焼きそばの具などアレンジも自在。
日々の習慣に取り入れやすい一品です。
塩漬け
「白菜とりんごのもみ漬け」のつくり方
りんごと糸寒天を使った、信州らしい一品。食感よく、食物繊維も豊富です。
材料(つくりやすい分量)
● りんご | 1/2個(150g) |
● 白菜 | 1/4玉(600g) |
● 糸寒天 | 10g |
● 塩 | 15g(白菜とりんごの重量の2%) |
つくり方
1 糸寒天はボウルに入れ、たっぷりの水を注ぎ30分ほどおいてもどす。
2 白菜はざく切りに、りんごは薄い半月切りにし、ボウルに入れて塩をよくもみ込む。
3 白菜がしんなりし、少し水分が出てきたらざるで水を切った糸寒天を加え、ざっくりと混ぜ合わせる。
4 3に平皿などをかぶせ、重量の3倍程度の重石をのせてひと晩おく。
5 白菜とりんごから水がしっかり上がったらでき上がり。
保存期間:冷蔵庫で1週間程度
<撮影/佐々木健太 取材・文/玉木美企子>
横山タカ子(よこやま・たかこ)
料理研究家。長野県生まれ、在住。長野の食文化を生かしたレシピに定評がある。40年来の実践の集大成となるレシピ集『私の梅仕事』(扶桑社)が発売中。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです