(『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』より)
ドイツ式ハーブの手仕事「仕込む」
長い冬に備えて、昔からドイツ人は春から秋に収穫したハーブで、保存食をつくったり、リースなどにして室内に飾っていました。それは、冬の暮らしに彩りと癒やしを与えてくれる存在です。
収穫したハーブを乾燥させたり、オイルや塩に漬けたりする仕込み作業は、すべてを無駄にしないで使い切り、一年を通して健康に過ごす、ドイツ人の知恵でもあります。
12年間、フローリスト(花屋)としてドイツに暮らし、ハーブ使いの知恵やアイデアを学んだフローリストファーマーの奥薗和子さんに、ハーブの仕込みのひとつである、「ハーブコーディアル」のつくり方を教えていただきました。
ハーブのエキスがたっぷり詰まったコーディアルは、炭酸水で割って、ハーブや柑橘類の果物を浮かべれば、涼しげなハーブドリンクが出来上がります。
ハーブコーディアルのつくり方
どのハーブでもOK。ハーブコーディアルをお好みの分量の炭酸水で割り、ミントとライムの輪切りを浮かべてノンアルコールのカクテルに。
下準備
水で洗い、水けをよく切る
摘み取ったハーブは使いやすいサイズに切り分けて水を張ったボウルに浸しながら、やさしく水洗いする。土などの汚れを落とすと同時に、虫食いの葉などを取り除く。
洗ったハーブは数本ずつ布巾などに包み、上から軽く押さえてしっかり水けを切る。水分は葉の隙間にたまりやすいのでよく確認しましょう。
材料(つくりやすい分量)
● 水 | 200mL |
● お好みのハーブ(ミントを使用)※ | 40g |
● 砂糖 | 100g |
● レモン汁 | 大さじ1~2 |
※ ドライハーブでつくるときは、生ハーブの半分の分量にするとよい。
つくり方
1 鍋に水と砂糖を入れ、沸騰させたらハーブを入れて軽く混ぜ、火を止めて、10分ほどふたをして蒸らす。
2 1を濾して、レモン汁を加える。
保存の目安:冷蔵庫で2〜3週間。
〈撮影/高木あつ子 スタイリング/伊藤唯〉
※ 本記事は『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』(山と渓谷社)からの抜粋です。
奥薗和子(おくぞの・かずこ)
⿅児島県⽣まれ。農家。ドイツマイスターフローリスト。2002年から2014年まで12年間、フローリストとしてドイツに滞在。⾃⽣する植物、蔓、枝、苔、樹⽪などを⽤いたアレンジメントの⼿法を知る中で、⾃らの⼿でハーブや草花、野菜を育てていきたいと思い⾄り、帰国。有機農業の研修を経て、2019年4⽉、東京都⻘梅市にて「lalafarmtable」を開園。ハーブ、草花、伝統野菜などを有機農法で栽培し、産地直送の定期便にて消費者に販売、好評を得ている。都内のレストランへの提携販売のほか、ファーマーズマーケットへの出店も⾏う。雑誌やイベントなどでも活躍中。
Instagram:@lalafarmtable
◇ ◇ ◇
暮らしに馴染み、心を豊かにする。
ドイツ流のハーブ使いの知恵とアイデア。
人気のハーブ20種の育て方のコツと、料理やインテリアでの生かし方を紹介します。
ハーブを育て、四季折々に楽しむlalafarmtable・奥薗和子さんが、長年のドイツ暮らしで身につけた、ハーブ使いの知恵とアイデアを詰め込んだ一冊。
定番のバジルやミントから、フェンネルやエディブルフラワーなど人気のハーブまで、全20種の育て方と、それぞれのハーブの特性を生かした料理や愉しみ方を紹介します。
また、ハーブの仕込みものや、日常を美しく彩るハーブのアレンジメントも掲載。
ハーブが好きな方はもちろん、ハーブって難しそう、でも生活に取り入れたい…と思っている方におすすめのドイツ流の味わい方、生かし方をお届けします。