(『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』より)
ドイツ式ハーブの手仕事「飾る」
12年間、フローリスト(花屋)としてドイツに暮らした、フローリストファーマーの奥薗和子さん。
「ドイツ人の友人の家に行くと、庭摘みのハーブがさりげなく飾られている光景によく出合いました」といいます。
庭で摘んできたディルの花や、矢車草、チコリの葉などを、ジャムの瓶やコップなどに自由に大胆に挿す、その自然な飾り方のセンスがとても素敵で、庭摘みの花ならではの、いきいきとした美しさも感じられるのだそう。
暮らしの中に豊かさをもたらす、香りのインテリアとして、ハーブを飾るアイデアを教えていただきました。
テーブル周りに
グラスに挿して、テーブルを華やかに
料理のトッピングになるハーブは、グラスに挿し、料理の脇に置いて。そこからちぎってお好みの量を料理に散らせば、自分好みの味になり、テーブルの上も華やぎます。
使ったハーブ:ディル、ローズマリー、セージ
カトラリーに添えて、心地よい香りの演出を
カトラリーにハーブを添えて。着席したとき、ハーブの心地よい香りが漂います。お招きの演出にもぴったり。
使ったハーブ:タイム
吊るしてドライに
ハーブが変化していく様子も楽しみながら
収穫したハーブを1種類ずつ束ねて部屋に吊るすだけで、素敵なインテリアに。
生からドライに変化する様子も楽しめます。
きれいに乾かすなら、風通しがよく、直射日光の当たらない空間が最適です。
使ったハーブ:ローズマリー、オレガノ、タイム、ミント、エキナセア
〈ポイント〉
生のハーブは乾くと水分が抜けて縮むので、束ねたハーブは輪ゴムできっちり留めて抜け落ちないようにする。
〈撮影/高木あつ子 スタイリング/伊藤唯〉
※ 本記事は『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』(山と渓谷社)からの抜粋です。
奥薗和子(おくぞの・かずこ)
⿅児島県⽣まれ。農家。ドイツマイスターフローリスト。2002年から2014年まで12年間、フローリストとしてドイツに滞在。⾃⽣する植物、蔓、枝、苔、樹⽪などを⽤いたアレンジメントの⼿法を知る中で、⾃らの⼿でハーブや草花、野菜を育てていきたいと思い⾄り、帰国。有機農業の研修を経て、2019年4⽉、東京都⻘梅市にて「lalafarmtable」を開園。ハーブ、草花、伝統野菜などを有機農法で栽培し、産地直送の定期便にて消費者に販売、好評を得ている。都内のレストランへの提携販売のほか、ファーマーズマーケットへの出店も⾏う。雑誌やイベントなどでも活躍中。
Instagram:@lalafarmtable
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暮らしに馴染み、心を豊かにする。
ドイツ流のハーブ使いの知恵とアイデア。
人気のハーブ20種の育て方のコツと、料理やインテリアでの生かし方を紹介します。
ハーブを育て、四季折々に楽しむlalafarmtable・奥薗和子さんが、長年のドイツ暮らしで身につけた、ハーブ使いの知恵とアイデアを詰め込んだ一冊。
定番のバジルやミントから、フェンネルやエディブルフラワーなど人気のハーブまで、全20種の育て方と、それぞれのハーブの特性を生かした料理や愉しみ方を紹介します。
また、ハーブの仕込みものや、日常を美しく彩るハーブのアレンジメントも掲載。
ハーブが好きな方はもちろん、ハーブって難しそう、でも生活に取り入れたい…と思っている方におすすめのドイツ流の味わい方、生かし方をお届けします。