• 2年半前に引っ越してきて以来、好みの空間になるように、使いやすいように、少しずつ手を加えてきた板井さん。書斎とは別に、リビングにつくった第2のワークスペースも、父の手を借りながら、自分たちらしい場所になりました。
    (『暮らしのまんなか』vol.36より)

    DIYで、見た目もサイズもちょうどよく

    画像: 右)お父さまがつくった第2のワークスペースのデスク 左)リビングの一角。リサイクルショップで出合った椅子と自身で描いた絵を合わせて

    右)お父さまがつくった第2のワークスペースのデスク 左)リビングの一角。リサイクルショップで出合った椅子と自身で描いた絵を合わせて

    板井さんが家族とともに住むのは、築41年のマンションの一室。

    妊娠を機に手狭だった旧居からの引っ越しを考え、窓からの眺望と間取りにひかれて購入しました。天井を抜くなど、簡易的にリノベーションを行ったあとは、自分たちでタイルを張ったり、建具にオイルを塗ったり。

    持ってきた家具は食器棚とソファだけだったので、休日のたびに古道具店に足を運び、家に合う家具や照明を探して。そうして一歩一歩、空間を形づくっていきました。

    板井家で古いものと同じくらい多いのが、DIYが趣味のお父さまがつくる家具。在宅勤務が始まり、リビングにデスクを置くことにしたときも、制作をお願いしました。

    「イメージに近い写真とサイズを送ると、父から『こうもできるよ』などと返事が来て、数回やりとりして完成。好みのデザインで家に合うサイズを見つけるのは大変なのでありがたいし、共同作業が楽しいです」

    1年がたったころ、作業上、大きなモニターが必要になり、板井さんは書斎に移動。いまは夫のスペースに。週2日はふたりで在宅で働きますが、リビングと書斎は離れているため、気配は感じつつお互いが集中できる距離感がいいのだとか。

    在宅勤務でも「好きなものの延長に仕事があるから、オンオフは無理に切り替えない」といいますが、出産を経て自然にめりはりが生まれたそう。

    「いまは娘が日々成長している時期なので、お迎えの時間になったら強制的にオフに。それ以降は仕事のメールは見ないようにしています」

    夫婦の距離感も、子育てと仕事のバランスも、やってみないとわからないもの。頭で考えるのではなく、試行錯誤を重ねて見つけるそのときの自分たちに合うかたちが、ベストなワークスタイルなのかもしれません

    画像: ブリキの引き出しにははさみやテープなどの文房具、保育園のプリントなど紙類を収納。下のかごは娘さんのおもちゃが入っている

    ブリキの引き出しにははさみやテープなどの文房具、保育園のプリントなど紙類を収納。下のかごは娘さんのおもちゃが入っている

    画像: デスクの上のペン立て。持ち手付きはお父さま作、左は古いもの

    デスクの上のペン立て。持ち手付きはお父さま作、左は古いもの



    <撮影/有賀傑 取材・文/増田綾子>

    板井亜沙美(いたい・あさみ)
    グラフィックデザイナー。大学で芸術学を学び、卒業後、デザイン会社に就職。雑誌や書籍、Web 広告などを中心にデザインを手がける。同会社で企画の仕事に従事する夫と2015年に結婚。その後フリーランスに。3歳の娘と都内で3人暮らし。夫婦ともに古いものが好きで、家族で古道具店や骨董市に出かけるのが楽しみ。インスタグラム @tgwasm1116

    画像: DIYで、見た目もサイズもちょうどよく

    <訪ねた人>
    増田綾子(ますだ・あやこ)

    編集者、ライター。生活実用誌、お母さんのためのライフスタイル誌の編集部を経て独立。「働く台所」(エクスナレッジ)、「新大人の普段着」シリーズ(金子敦子著・主婦と生活社)のほか、衣食住・アウトドアの書籍や雑誌、WEBの編集・執筆を手がける。インスタグラム@bogmoss_

    ※記事中の情報は『暮らしのまんなかvol.36』本誌掲載時のものです

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    一田憲子さんが編集を手がける『暮らしのまんなか』vol.38。暮らしの実例12軒でお見せします。

    1章は「自然とつながって暮らす」。いつものキッチンの水道の下に、大きな海がつながっているとしたら……。そんな視点で暮らしを点検したら、洗剤の選び方や、器の洗い方が変わってくるかもしれません。ちょっとした「意識」の変化をきっかけに、自然とつながって暮らすことを選んだ、3人の暮らし方を紹介します。

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