(『天然生活』2020年9月号掲載)
身近な食材で整える
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
「イライラするのは『肝』の乱れ、胃腸の不調は『気』の停滞が原因。それぞれに合う食材があります」
心を落ち着かせ、体を整える食材は、意外にも身近なものばかり。さらに、暑さがきびしい夏時季には、火をとおした野菜や果物から水分を取る知恵も教わりました。
「漢方は体全体を見て、なぜ不調が起きるのかを考えます。理由を知り、食べ物でケアをしていく。毎日の暮らしのなかで取り入れれば、食べることが楽しくなり、安心にもつながりますよ」
心が不安定になり、胃腸の働きが滞るとき
「薬味野菜の鶏麺」のつくり方
短時間で完成するのに、驚くほど深いコクとうま味。薬味をどっさりと入れて、風味豊かに、ピリ辛に仕上げます。
材料(2〜3人分)
● 鶏もも肉 | 1枚 |
● 塩 | 小さじ1/2 |
● A | |
・ 水 | 4カップ |
・ にんにく | 1かけ |
・ 酒 | 大さじ3 |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ 長ねぎ(青い部分) | 1本分 |
● しょうゆ | 大さじ1/2 |
● 塩、こしょう | 各適量 |
<薬味だれ> | |
・ 香菜 | 2株 |
・ 青じそ | 5枚 |
・ みょうが | 1個 |
・ ししとうがらし | 3本 |
● B | |
・ しょうゆ、酢 | 各大さじ1 |
・ 白炒りごま | 小さじ1/2 |
・ 粉とうがらし(あれば中挽き) | 小さじ1/2 |
● そう麺 | 4〜5束 |
つくり方
1 鶏肉は塩をすり込み、10分ほどおいてからさっと洗って水けをきる。
2 香菜は根を切り落とし、3cm長さに切る。青じそは手でちぎり、みょうがとししとうがらしは小口切りにする。
3 鍋に鶏肉とA、香菜の根を入れて強火にかける。沸騰したらあくを除いて、20分ほど煮る。ねぎを取り除き、しょうゆ、塩、こしょうで味をととのえる。
4 そう麺はたっぷりの熱湯で、袋の表示時間どおりにゆで、冷水に取って揉み洗いし、ざるにあげて水けをきる。
5 器に3のスープを注ぎ、麺を入れ、盛りつける直前に2の香味野菜をBであえて鶏肉とともに盛りつける。
温かいスープで血行改善
鶏のスープは「参鶏湯」のように滋養があり、体を芯から温めます。冷えていた胃腸も血行がよくなり、活発に動き出します。薬味の香りには、リラックス効果も。
心が不安定になり、胃腸の働きが滞るとき
「とうもろこしと香菜ごはん」のつくり方
しゃきしゃき食感が魅力! 歯触りと香りを楽しむごはん。
材料(4人分)
● とうもろこし | 1本 |
● 香菜 | 2束 |
● 米 | 2合 |
● 水 | 400mL |
● 酒 | 大さじ1 |
● 塩 | 少々 |
つくり方
1 米は炊く30分前に洗ってざるにあげておく。
2 とうもろこしの皮をむき、ひげ根を取り除く。長さを半分に切り、包丁で実をそぎ取る。ひげ根はまとめて結んでおく。
3 鍋に1の米と水、酒、塩を入れる。とうもろこしの実、芯、ひげ根をのせ、ふたをして強火にかける。沸騰したら鍋底から大きく混ぜ、ふたをして弱火で10分炊く。最後に強火にして2分炊いて火を止め、そのまま10分ほど蒸らす。
4 とうもろこしの芯とひげ根を取り除き、1~2cm長さに切った香菜を加えて全体を混ぜる。
胃腸を整え、むくみも解消
とうもろこしは気を補い、心と体に力をつける食材。疲れて弱った胃腸にも効果があります。ひげ根には、むくみをとる働きも。パクチーは、消化と吸収を助けます。
<料理・スタイリング/コウ静子 撮影/在本彌生 取材・文/河合知子>
コウ静子(こう・しずこ)
料理研究家。母は韓国・済州島出身の料理家、李映林。幼いころから母とともに台所に立ち、滋味深い家庭料理を覚える。薬膳に造詣が深く、ハーブやスパイス、旬の食材を生かした体にやさしい料理が得意。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです