ブラックコーヒー党へ〜カフェオレを飲まなくても、タンパク質は摂れる!
かつては「おめざ」という言葉が大好きだったわたし。朝にまず軽くお茶かコーヒーと軽いおやつをつまんで、しばらく経ってから食べられそうな日にだけ朝ごはんも食べる、なんて食べ方をしていた時期もありました。
カステラやクッキー、甘納豆、小さなお饅頭など、お菓子があると「明日の朝に、おめざに食べよう」と楽しみにとっておいたものです。
20代の頃、友人が住むパリを訪ねたときには「朝ごはん用に買おうよ」とその友人も大きなマドレーヌを買うのを見て、やった、朝に甘いものが好きなのはわたしだけではないんだわ、と妙に自信をつけたものです。
ただ、いまになって当時をふりかえってみると。
その友人やほかのフランス人の朝の食べ方を見ると、マドレーヌなどの甘いお菓子を食べるとき、一緒にとるのはカフェオレ。牛乳を入れていました。
かたやわたしはというと。好きな組み合わせは、お菓子とブラックコーヒー。
あれ? カフェオレとブラックコーヒーでは、同じ甘いものを食べたとしてもタンパク質摂取量に差が出ていくんじゃないの!?
カフェオレとブラックコーヒーのタンパク質量の差
カフェオレ(またはカフェラテ)に入れる牛乳は微々たる量ですが、それとて積み重ねていけば大きな差になります。
200mLくらい入るマグカップを使うならば、入れる牛乳の量は50〜100mLくらいでしょうか。タンパク質量でいうと1.6g〜3.3gくらい。3.3gも摂れると、卵1/2個分にもなります。そうなると、「微々たる量」では済みません。
1日に必要なタンパク質量を50gとすると、その15分の1にあたる量をたった1杯のカフェオレで摂れるわけですから。ブラックコーヒー党は何杯飲んでもタンパク質は限りなくゼロに近い量です。
(文部科学省が公開している情報によると、浸出したコーヒーのタンパク質量は0.2g)
タンパク質が人よりも摂れていない理由が、コーヒーにもあったのですね。でも当時20代のわたしはそこに気づいていませんでした。
なんなら、ほんの3年ほど前まで、ブラックコーヒー党のわたしがカフェオレ党に追いつくためには、別のものでタンパク質を補う必要がある、ということは深刻に考えていませんでした。
お菓子や揚げものが好きなのでカロリーはしっかり摂れているから体重はある。なので、自分の体の中で栄養バランスが悪くなっているかも、なんて思いもしていなかったのです。
ブラックコーヒー党でなくても、飲むものはお茶やストレートティー、水、ジュースが多いかな、という方も人ごとではありませんよ!
あと、飲み物に限らず、シンプルな食べものを選びがちな人も要注意です。
たとえば、タンパク質量は
塩むすび(約3g) < 鮭おむすび(約6g)
バタートースト(約5g) < フレンチトースト(約11g)
山菜そば(約13g) < きつねそば(約23g)
と、なります。
こうして並べると当たり前なのですが、素に近いものであればあるほどタンパク質量は少ないもの(とはいっても、そばのタンパク質の豊富さにはあらためて驚きますが!)。
わかってはいても、どうしても左側のものが食べたいときもありますよね? そういうときには「タンパク質が足りていない」ということを忘れず、次の機会に補えるよう意識するだけでも変わるのではないかなと思っています。
さて、カフェオレを飲まない(牛乳を飲まない)わたしはどうやってタンパク質を補っていけばよいのでしょうか。日々、わたしが朝ごはんで気をつけていることをご紹介します。
ブラックコーヒー党がタンパク質を補う朝ごはんアイデア
ブラックコーヒー党のタンパク質朝ごはん①
コンビニでは飲むヨーグルトを買う
朝コンビニに寄るときには、飲むヨーグルトも買います。牛乳は苦手だけれどヨーグルトは好きなのは発酵のおかげでしょうか。ヨーグルトと砂糖だけのシンプルなタイプの飲むヨーグルトが好き。
実はこのタイプ、どのコンビニもつくっているメーカーは同じなので、どこでも同じような味が入手できます。
ブラックコーヒー党のタンパク質朝ごはん④
ヨーグルトはギリシャヨーグルトに
同じヨーグルトを食べるなら、少しでも効率よくタンパク質を。ギリシャヨーグルトを食べるようにしています。
普通のヨーグルトなら、一晩、冷蔵庫の中でコーヒーフィルターなどにヨーグルトを入れて水切りを。プルーンやナッツを入れていただきます。
ブラックコーヒー党のタンパク質朝ごはん③
豆乳を牛乳代わりに
ときにはカフェオレも。豆乳ですが。豆乳は牛乳とほぼ同量のタンパク質含有量なので、牛乳の代替としては、ひとまずの最適解です。
この日は、半熟卵や豆入りのトマト煮を添えて、タンパク質を少しずつ追加しています。
ブラックコーヒー党のタンパク質朝ごはん④
黒ごまきなこを豆乳に
豆乳にタンパク質のきな粉と、風味や若返り作用を期待して黒すりごまも入れて。豆乳やきな粉などの大豆タンパクも分解吸収するには体に負担がかかるという説もありますが、量を摂り過ぎなければOK。
※ ※ ※
1日に1回はふと立ち止まり、「今日はタンパク質が摂れているかな」と意識してみるだけでも効果はあるのではないではないでしょうか。とくにブラックコーヒー党のお仲間さん、ぜひとも意識してみてくださいね。
田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「時短料理をサステナブルな知恵に」をモットーに、ゆとりを生みだすための時短の知恵を書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』シリーズ(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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