(『天然生活』2023年8月号掲載)
食欲が落ちがちな夏に役立つ「お酢」
うだるような暑さのなかでも、箸がついつい伸びるのは、さっぱりと酸味の効いたひと皿です。
味わいはもちろん、お酢のいいところは、クエン酸などの働きで疲労回復に効果があるところ。
「さらにお酢は、とうもろこしやパプリカなど甘味が強い夏野菜の味をより引き立てます。肉や魚とも相性がいいですから、この時季、さまざまな食材をバランスよく味わうのにも役立ちますね。食欲が落ちがちな夏に、積極的に使いたい調味料です」
今回使うお酢は
黒酢
中華料理によく使われる黒酢は、もち米が主原料でこっくりとした甘さをもつ。
「濃厚なので炒めものにさっとからめたり、ソース感覚で使ったり」
黒酢を使って
豚肉ときゅうりの黒酢炒め
酸味の中のほのかな甘さは、濃厚な黒酢のおかげ。きゅうりは種を取り、水けをのぞいて歯触りよく。
材料(2人分)
● 豚切り落とし肉 | 250g |
● きゅうり | 2本 |
● しょうが(せん切り) | 1片分 |
● 片栗粉 | 大さじ2 |
● 塩 | 少々 |
● A | |
・黒酢 | 大さじ2 |
・みりん | 大さじ1 |
・酒 | 大さじ1/2 |
● しょうゆ | 大さじ1 |
● ごま油 | 小さじ2 |
● 白炒りごま | 適量 |
つくり方
1 きゅうりは縦半分に切り、種をスプーンなどでこそげ取る。1㎝厚さの斜め切りにする。
2 豚肉は大きいものは食べやすく切り、塩をふる。
3 2に片栗粉をまぶす。フライパンにごま油としょうがを入れ、中火で熱し、香りが立ったら豚肉を入れ、炒める。
4 豚肉に焼きめがついたら、Aを加えて煮立たせながら炒める。汁けが少なくなったら1としょうゆを加えて、汁けがなくなるまでさらに炒める。器に盛り、仕上げに白ごまをふる。
ワタナベさんのおすすめの黒酢
玄米を主原料にした黒酢は、酸度が低めで、甘みもやや強め。
「個人的におすすめなのは、玄米黒酢。通常の米酢のキリッとした酸味もおいしいのですが、少しまろやかに仕上げたいときなどによく使います」とワタナベマキさん。
〈料理/ワタナベマキ 撮影/山川修一 スタイリング/竹内万貴 取材・文/福山雅美〉
ワタナベマキ(わたなべ・まき)
グラフィックデザイナーを経て、料理家として独立。シンプルだけど滋味深く、素材の味を引き出した料理が人気。インテリア、器、ファッションなど、センスあふれるライフスタイルが年代を超えて支持されている。『時間をかけて作りたい料理』(Gakken)、『マキさんの極上シンプルおにぎり』(ワン・パブリッシング)ほか著書多数。
インスタグラム:@maki_watanabe
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです