• 家族との大切な思い出や出来事、時間が経つと記憶が薄れてしまうことも。たとえば、息子がひとりで留守番したときのこと、段ボールを電車に見立てて遊んだこと……、何気ない日常を切り取って、半世紀近くで90冊の絵本をつくってきた町田さん家族。その絵本の1冊『おばけのおなか』を公開します。町田家で実際にあったストーリーを絵本に。子ども時代のちょっとした怖いもの見たさがうまく現れています。おばけのおなかの正体は、実際は母・万里子さんだったとか。

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    にちようびの あさ

    ぼくは また あの おとで めが さめた。

    パックン パックン ぱっくんおばけが やってくるおと

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    ぼくは いもうとを おこして いっしょに

    そうっと ぱっくんおばけに ちかづいた。

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    でたあ!

    ぱっくん おばけ――

    ぼくと いもうとは あわてて にげた。

    けれど、

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    くまは おくれて

    ぱっくんおばけに のみこまれた。

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    くまを おいかけて うさぎと ぶたも のみこまれた。

    うさぎと ぶたを たすけようとして、

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    いもうとも のみこまれた。

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    とうとう、ぼくも……

    パックン!

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    おばけのおなかは まっくらだった。

    せまくて あつくて トンネルみたい。

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    おばけの おなかに なにかがいる。

    ギュー ギュー ぼくたちを しめつける。

    コチョ コチョ ぼくたちを くすぐる。

    「どうだ。まいったか~~」

    きみのわるいこえで おばけがいった。

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    「まいらないぞー」ぼくは いった。

    「みんな てを かして!」

    ぼくたちも おばけを

    ギュー ギュー。

    みんなで コチョ コチョ。

    すると そのとき

    きゅうに

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    まぶしい ひかりが 

    おばけの おなかに さしこんだ。

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    「おはよう。いいてんきよ」

    あまどを あける おとが した。

    「あーあ ぱっくんおばけ きえちゃったねぇ」

    「こんど いつ でるかなあ」

    ぼくも いもうとも ぱっくんおばけがだいすきだ。

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    「ねえ おとうさん。てんきが いいから どこかへ でかけようよ。」

    「う、う…ん。」

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    まちだファミリー
    母・万里子さんは元小学校教師。長男の穂高さん、長女のはる香さんの育児中は専業主婦になり、手づくり絵本を通じて地域活動に励んだのち、教師に仕事復帰(現在は病気療養中)。父・弘さんは元高校教師で化学を教えていた。2016年より「ヒロシとマリコの手づくり絵本展」を開催し、縁のある場所を巡回している。インスタグラム:@mahiro_publishing

    ※まちだファミリーの「日常を愛で紡ぐ、小さな幸せの物語」は、『天然生活』2024年9月号、P.26~23に掲載されています。



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