1
にちようびの あさ
ぼくは また あの おとで めが さめた。
パックン パックン ぱっくんおばけが やってくるおと
2
ぼくは いもうとを おこして いっしょに
そうっと ぱっくんおばけに ちかづいた。
3
でたあ!
ぱっくん おばけ――
ぼくと いもうとは あわてて にげた。
けれど、
4
くまは おくれて
ぱっくんおばけに のみこまれた。
5
くまを おいかけて うさぎと ぶたも のみこまれた。
うさぎと ぶたを たすけようとして、
6
いもうとも のみこまれた。
7
とうとう、ぼくも……
パックン!
8
おばけのおなかは まっくらだった。
せまくて あつくて トンネルみたい。
9
おばけの おなかに なにかがいる。
ギュー ギュー ぼくたちを しめつける。
コチョ コチョ ぼくたちを くすぐる。
「どうだ。まいったか~~」
きみのわるいこえで おばけがいった。
10
「まいらないぞー」ぼくは いった。
「みんな てを かして!」
ぼくたちも おばけを
ギュー ギュー。
みんなで コチョ コチョ。
すると そのとき
きゅうに
11
まぶしい ひかりが
おばけの おなかに さしこんだ。
12
「おはよう。いいてんきよ」
あまどを あける おとが した。
「あーあ ぱっくんおばけ きえちゃったねぇ」
「こんど いつ でるかなあ」
ぼくも いもうとも ぱっくんおばけがだいすきだ。
13
「ねえ おとうさん。てんきが いいから どこかへ でかけようよ。」
「う、う…ん。」
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まちだファミリー
母・万里子さんは元小学校教師。長男の穂高さん、長女のはる香さんの育児中は専業主婦になり、手づくり絵本を通じて地域活動に励んだのち、教師に仕事復帰(現在は病気療養中)。父・弘さんは元高校教師で化学を教えていた。2016年より「ヒロシとマリコの手づくり絵本展」を開催し、縁のある場所を巡回している。インスタグラム:@mahiro_publishing
※まちだファミリーの「日常を愛で紡ぐ、小さな幸せの物語」は、『天然生活』2024年9月号、P.26~23に掲載されています。