• 大人世代が抱える「こころとからだ」のお悩みや疑問について、頭痛・漢方専門「らいむらクリニック」の來村昌紀先生が、やさしく回答。今回は、やせにくくなって運動が続かないという、こばっちさんのお悩みにアドバイスをお送りします。

    :代謝が悪くなりやせにくいです。無理なく続けられるダイエット方法を教えてください

    画像1: 50代、代謝が落ちて「やせる運動」が続きません。がんばらないダイエットの秘訣は?|來村先生のこころとからだのお悩み相談室

    今年こそやせたい……! けど運動が三日坊主です

    年々代謝が悪くなってきているのですが、冬は家にこもってしまい、ますますやせにくくなってしまいます。さらに年末年始で食べる機会が増えて、常に体が重くてすっきりしない状況です。

    今年こそはダイエットしたい! と思っているのですが、運動がなかなか続かなくて……無理なく続けられるおすすめのダイエット方法はありますか?

    漢方の観点からのアドバイスなどをお聞きしたいです。

    (こばっちさん 50代/会社員)

    :運動が続かなければ、食事療法から始めてみましょう

    画像2: 50代、代謝が落ちて「やせる運動」が続きません。がんばらないダイエットの秘訣は?|來村先生のこころとからだのお悩み相談室

    僕も毎日運動していますが、なかなかやせません

    やせるには究極、運動より食事療法が手軽

    今回はこばっちさんからの代謝が落ちてやせにくくなっているというご相談です。僕もこばっちさんと同じ50代でおなかが出てきて、おなかをへっこませようと日々頑張っているのですが、なかなかやせずに困っています。

    まずは自分のことを書いて恐縮なのですが、僕は趣味でトライアスロンをしていて、平日はジムが休みの木曜日以外、午前と午後の診療の合間に5km走る、1km泳ぐというのを一日交代でやっています。

    日曜日は6km走って30km自転車に乗るというのもやっていますが、それでもやせません。例えば5km走っても消費カロリーは300kcalくらいで、僕が大好きなコンビニで売っているプリンアラモードひとつで帳消しです。

    つまり何が言いたいのかというと、食事でやせる方が簡単ということです。

    本当は筋肉がつくと体重は重くなりますが、体はしまって基礎代謝が上がるためやせやすくなります。なので、できれば家でできる簡単な筋トレ、たとえば腕立てや腹筋、スクワットなどが習慣になればとてもよいのですが、そういった運動や筋トレが続かないという場合には、食事療法が大切です。

    これはすごく簡単にいうと摂取したカロリー消費したカロリーの差でやせるので、できるだけ摂取するカロリーを控えるということなのですが、健康的にやせるには、バランスの取れた旬の食事を、ゆっくりよく噛んで腹八分目に食べるのが基本です。

    食べる順番や時間帯も大切です

    1回に30回噛むとよいといわれていますが、早くご飯を食べると満腹中枢が働く前にお腹いっぱい食べてしまうので、食べ過ぎになってしまいます。まずは野菜や味噌汁、スープなどの水分でお腹を膨らませ、その後におかずやご飯などの炭水化物を食べるのがおすすめです。

    甘いものや果物はできるだけ朝や、昼に食べて、夜寝る前は甘いものや果物を控えるとよいと思います。

    「冷え」は代謝が落ちるので、体を冷やす生野菜や果物、砂糖の入った甘いデザートはなるべく控えるようにしましょう。

    またできるだけ、火の通った温かい飲みもの、食べものを心がけてください。

    ストレスをためて食べてしまう人は、楽しく気分転換の時間を

    ストレスを食べることで解消してしまう人もいるため、別の楽しいことでストレスを解消するのもよいと思います。

    これが運動でストレスが解消できれば言うことなしなのですが、映画やコンサート、ゲームなどでもよいと思います。最近では体を動かすゲームもあるので、楽しくてストレスなく続けられるものが見つかるとよいですね。

    またどうしてもおなかが空いてストレスになったり、物足りない場合には食べるのを我慢するのではなくて、ノンカロリーの飴やガムなどの長く口の中に残るもので誤魔化したり、こんにゃくゼリーなどのカロリーゼロでお腹が膨らむものを甘いおやつの代わりに食べるのもおすすめです。

    運動や食事療法との併用がおすすめの漢方

    それでも難しい場合には、漢方薬に頼ってみるのも手です。温めて血流をよくする桂枝茯苓丸や便秘を改善しやせやすくする防風通聖散、浮腫をとって冷えを改善する防已黄耆湯などの漢方薬もあり、これら漢方薬を食事や運動療法と併用することでやせやすくなりますね。

    今回の記事がこばっちさんはじめ、代謝が落ちてやせにくくなっている皆様の少しでも参考になれば幸いです。

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    〈イラスト/コグレチエコ〉

    画像: 運動や食事療法との併用がおすすめの漢方

    來村昌紀(らいむら・まさき)

    頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
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