(別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.40掲載)
自分のために「どう時間を使えば満足できる?」を考えてみる
やりたくないこと、やらなくてもいいことを把握し、それらをやめると決めたことで、大きく時間の使い方を見直したという尾石 晴さん。その結果、毎日1時間半、自分の時間が生まれて、自分で会社をつくったり、大学院で学んだり、年間、360冊の本を読む時間が取れるようになったのだとか。
「最初はつくりおきをしたり、効率化に適した家電を購入したり、時短になるといわれることをいろいろ試して。時間は増えましたが、あまり満足感を得ることができなかったんです。
そのときは、時間をつくってどうしたいのかという明確な目的がなかったからなんですよね。そこで時間術のテクニックに頼るのではなく、自分のためにどう時間を使うか考えるようになり、ようやく満足のいく時間の使い方ができるようになりました」
「時間の使い方」がうまくなるためのアイデア3つ
尾石さんに、時間の使い方を見直す具体的な方法を教えていただきました。
ちょっとした意識の変化や自分に合ったルールを決めることで、満足できる時間が増えていきそうです。
時間の使い方がうまくなるアイデア01
頭と時間をリンクさせる
一日のなかで最も脳が活性化していて、集中力や思考力が発揮できるのは、起床後3〜4時間ほど。
起きてから時間がたてばたつほど脳が疲れ、集中力が途切れやすくなるので、30分で読める本が朝は20分、夕方なら40分かかってしまいます。
頭を使う作業や自分がやりたいことを午前中に、午後の時間に家事などをすると、時間を有効的に使えます。
時間の使い方がうまくなるアイデア02
選択の回数を減らす
今日の夕食は何にするか、雨が降るかもしれないから傘を持って行こうかといった小さな選択と決断を、私たちは一日に9,000〜3万5,000回ほどしているといわれています。
仕事に着ていく服、金曜日はカレーと決めておくなど、日々迷うことはルーティン化すると、選択による疲れを減らすことができ、時間と思考力にも余裕が生まれてきます。
時間の使い方がうまくなるアイデア03
やめてみることから始める
使っている時間を書き出すことも難しい人は、まずは嫌なことを10個書き出しましょう。そのリストの上から3個までをやめるというマイルールをつくると、それに付随する自分の価値観が浮き彫りになり、時間の使い方、ものの選び方が変わってくると思います。
片づけも時間の使い方もうまくいかない人は、優先づけがうまくいっていないことが多いんです。
〈イラスト/植松しんこ 取材・文/赤木真弓〉
本記事は 別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.40(扶桑社)からの抜粋です
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一田憲子さんが編集を手がける『暮らしのまんなか』vol.40
一冊を通してのテーマは、「『時間』に乗っ取られない暮らし方」。掃除、洗濯、料理、仕事。やらなくてはいけないことが次々生まれて、一日があっという間に終わってしまうし、いつも時間に追いかけられている……と、お悩みの方も多いのではないでしょうか? そんな方に向けて、自分の手でハンドルを握り、時間を管理し、穏やかな気持ちで過ごす暮らしへ切り替えるための工夫をたっぷりお届けします。登場するのは、自分たちの生活で大切にしたい「暮らしのまんなか」をわかっている、12名。時間に対する考え方や、がんばらなくても続く収納方法、家事動線や収納をスムーズにする小さなDIYを紹介しています。
尾石 晴(おいし・はる)
外資系メーカーに16年勤務後、独立。音声メディアVoicyにて「学びの引き出しはるラジオ」のパーソナリティーを務める。(株)ポスパムの代表として、オンライン・スタジオヨガ「ポスパム」、母と子のシェアコスメ「soin(ソワン)」の運営も。現在は大学院博士課程に在籍中。著書に『やめる時間術』(実業之日本社)ほか多数。小学生2児の母。