(『天然生活』2020年4月号掲載)
ごはんの上に3つのおかずをのせるだけ。15分でつくるお弁当
高校2年生(*2020年当時)の娘さんに、ほぼ毎日お弁当をつくっている野口真紀さん。
曲げわっぱにごはんを敷き詰め、3つのおかずを“のっけ”スタイルにするのが定番です。
お弁当生活が始まった当初は、おかずの種類を増やさなくてはと思い、時間もむだにかかっていたと振り返ります。
もっとシンプルに、いつものごはんをお弁当でおいしく食べさせるにはどうしたらいいか。そう考えていきついたのが、このかたちだったといいます。
「前の晩のおかずやつくりおきは入れず、当日の朝にイチからつくります。
メインは肉か魚のどちらか、それに、玉子のおかずと野菜のおかず。
その3つだけと決めれば、味つけや色合いの組み合わせも考えやすくて、あれこれ迷うこともありません」
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肉、玉子、野菜、3つのおかずをのっけた「鶏つくね甘辛弁当」
すっかりお弁当生活にも慣れたいま、ごはんを詰めるところからスタートして15分もあれば、あっという間に完成するのだそう。
「たまには学食で食べてくれたら楽だな〜と思うこともあるけれど、“お弁当がいい”といわれるとやっぱりうれしいし、つくりがいもありますね。明日は何をつくろうかな、と考えるのが楽しみです」
▼「鶏つくね甘辛弁当」のつくり方はこちら
15分でつくるためのアイデア4つ
1.おかず3種を白ごはんにのせるスタイルに
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ごはんにおかずをのせる“のっけ弁当”なら、おかずカップや仕切りが要らないうえ、白いごはんに味が移るのもおいしい。
また、おかずを3つに絞ることで、それらを自由に入れ替えれば、何通りものお弁当を楽しむことができます。
2.電子レンジも積極的に活用する
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限られた時間で調理するために、野菜の下ごしらえは電子レンジを活用します。
「おくら、アスパラガス、ブロッコリーなどはレンチン加熱できて便利です」と野口さん。
ふんわりとラップをかけて加熱したら、そのままおいて蒸らすのがポイントです。
3.できるだけ水分を出さない工夫をする
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「お弁当は衛生面が大事なので、水分がなるべく出ないよう、おかずの汁けは十分にとばします。ミニトマトやきゅうりなどの生野菜も入れません」
水けを吸って風味もアップする、すりごま、かつお節はお弁当づくりの強い味方です。
4.通気性のよい曲げわっぱの弁当箱を使う
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曲げわっぱならほどよく水分を逃がしてくれるので蒸れる心配なし。
「めいっぱい詰めてあふれるくらいのほうが、ふたをしたとき隙間がなくなってしっかり密閉されます」
野口さんが愛用しているわっぱは後藤信治さんがつくったもの。
〈料理・スタイリング/野口真紀 撮影/馬場わかな 構成・文/結城 歩〉
野口真紀(のぐち・まき)
料理研究家。2児の母で子どもも大人もおいしく食べられる料理に定評がある。初めてのお弁当の本『ぱらぱらきせかえべんとう』(アノニマ・スタジオ)は、3つのおかずをパラパラとめくって着せ替えのように楽しめると評判に。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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天然生活2025年4月号では、お弁当の特集をしています。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
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朝が楽なつくりおき1週間弁当、みんなが大好きな7つの定番弁当、おかず3品以内のがんばりすぎない弁当など39の弁当レシピのほか、毎日の弁当づくりに役立つ、おかず&ごはん131レシピを掲載。
飛田和緒さん、ワタナベマキさん、本田明子さんなど、雑誌『天然生活』で人気の高かった料理家12人のお弁当レシピを厳選し、撮りおろしレシピもプラスして一冊にまとめました。