五感に響く、楽しい道具が集まる場所
日用品の店「SyuRo(シュロ)」がショップ兼アトリエをかまえる台東区鳥越は、モノづくりの町。辺りには、昔ながらの印刷所や金具屋、布卸問屋などが、ひしめき立っています。「SyuRo」は、そんな町で生まれ育った、デザイナーの宇南山加子さんがオープンさせたお店です。

2008年オープン。もとはダンボール工場だった建物を店舗に
店に並ぶのは、6割がオリジナル商品で、残りがセレクトした品。オリジナル商品は、素材感を生かしたシンプルな造形を大切に、“日常と非日常、和と洋の中間”をイメージしつつ、宇南山さんがデザイン。真摯なモノづくりをする日本各地の職人や工場が、制作を請け負っています。

“SyuRoといえば”の定番品「丸缶」。お茶やコーヒー豆、調味料、細かなものの収納に便利
オリジナル商品のなかでも、見て使って楽しくなるおすすめアイテム5点を、スタッフの石洞美和子さんに教えてもらいました。

石洞さんは、勤続14年の大ベテラン
気分が上がる日用品
SyuRoのおすすめアイテム5選
Item01. 見せる収納にぴったりの「角缶」

丸缶と並ぶSyuRoの定番品。写真はブリキと真鍮で、ほかに銅もあり。大・小・SSの3サイズ展開
「『角缶』は、シンプルで素材感があり、エイジングも楽しめる箱。見せる収納として、そのまま出しておいても素敵です。文房具やカトラリー、裁縫道具など、皆さん思い思いの物を収納されていますね。下の写真は少し経年したもので、長く使うとさらに味わいが増します」

溶接ではなく金属を折り込んでつくることで、角が丸みを帯び、手の当たりがやさしいのが特徴
Item02. ナチュラルなカラーリングも魅力の「キッチンクロス」

手拭きや食器拭きのほか、ランチョンマット、ナプキンにも使える「キッチンクロス」
「浜松の工場で織られているリネン生地を使った『キッチンクロス』です。生地は、手作業で染色され、遠州の空っ風とたっぷりの日光を当て、天日干しで仕上げた上質なもの。リネン生地は織られた後、チクチク感があったりしますが、これは特殊な洗いの加工が施され、ふんわり柔らかな仕上がりです」
Item03. デスクに温もりを添える「ペーパーウェイト」

「直方体」「立方体」の2種類。材はカエデ、ナラ、クルミが揃います(写真はナラ)
「墨田区のさしもの職人さんが、ひとつ一つていねいにつくりあげています。一見軽そうに見えますが、中に鉄が入っており、持ってみるとしっかりと重さがあるのが面白いところ。継ぎ目がほとんどわからないのは、熟練の技によるものです。『直方体』は、お習字の文鎮代わりに使うという方もいらっしゃいました」
Item04. 手軽に気分転換できる「VVV(アロマとスキンケア)」

左から「ロールオンアロマ」「オリジナルアロマミスト(ルームミスト)」。ほかに、フェイシャルトナーなども
「『VVV』は、気分を落ち着かせる効能のある、9種類の天然の精油をブレンドしたアロマオイルを用いた、アロマとスキンケアのシリーズ。女性すぎず、男性すぎない、ほどよいバランスの香りは、気持ちをフラットにしてくれます。ルームミストは、気分転換したいときや就寝前にシュッとひと吹きすると、リラックスできますよ」

「『ロールオンアロマ』は、携帯して仕事の合間に。手軽にリフレッシュできます」と石洞さん
Item05. スーパーのお惣菜もご馳走になる「炻器(せっき)」

プレート・深めの皿・ボウルがあり、それぞれ4色揃います。耐熱土でつくられ、電子レンジ、オーブン、食洗機に対応
「デザイナーの宇南山が、海外のレストランで、石に料理が盛られて提供されたのに感動し、そんな石のようなお皿をつくりたいと、三重県の窯元さんとつくり上げた器です。鉄分を多く含んだ粘土を焼き締めることで、堅い器に仕上がっていますね。釉薬などの表情に個体差があって、作家ものの器のように楽しめますよ」

こちらは「ボウル」。汁物を入れたり、小さめの丼として活用したりと、なにかと使い勝手がいいそう
「SyuRo」を営む宇南山さんは、2023年、長野県御代田町に移住。自宅の横に、インテリアギャラリー「SAMNICON(サムニコン)」をオープンしました。
宇南山さんは、“暮らしの一瞬一瞬を楽しむことで五感を磨き、豊かに過ごす”ことを大切に、循環型の暮らしを実践。「SAMNICON」は、そんな暮らしをフィードバックする場となっています。
国内外の家具のほか、「SyuRo」のオリジナル商品も並びます。ぜひこちらにも足を運んでみてください。
<撮影/山川修一 取材・文/諸根文奈>
SyuRo
03-3861-0675
12:00~18:00
営業日はInstagramにてご確認ください
東京都台東区鳥越1丁目16-5
最寄り駅:都営浅草線「蔵前駅」、総武線「浅草橋駅」より徒歩7分ほど
https://syuro.co.jp/
https://www.instagram.com/syuro_tokyo/
◆小野鯛さん(陶作家)の個展を開催予定(10月予定)