(『天然生活』2020年12月号掲載)
メガネを通して保護活動に貢献する[Fetch Eyewear]のサポートモデルとは?
Fetch「フェッチ」とは米英語で主に犬に使われる動詞で「投げた物を取ってくる」という意味。ボールや棒などを投げると、犬は大喜びで走ってキャッチし、飼い(投げ)主の下へと持ってくる。つまり、投じたものが犬を介して還元される、とも捉えられます。
そんなふうに考えたのは、全米が注目する動物保護団体「ピクシー」の主宰・エイミー・サックスの母、アン・サックスが立ち上げたポートランド発のチャリティーメガネブランド『フェッチ アイウェア』(以下、フェッチ)をピクシーを通して知ったから。
メガネを買うと、その利益は100%ピクシーをはじめ、他の動物保護団体へ回されるというのです。

エイミーの両親でフェッチを主宰するアン&ロバート夫妻と保護犬のクラーラ
「フェッチにいらっしゃる方は、メガネの購入代が動物保護団体に行くと知ったうえで共感し購入してくださっています。とはいえ、主役のメガネにもちろん納得がいってのこと。私たちのメガネは購入前に数週間、試用期間があり、購入後は生涯保証をしているのも人気の秘訣です」
しかし、数ある品物のなかで、なぜメガネだったのでしょう?
「アメリカで老眼鏡といえば、ドラッグストアの安物か何百ドルもする高価な品のどちらか。私は高い老眼鏡を購入しましたが、数日後に紛失し、さらに保証もない。そんな経験を経て、高品質&サービスで適正価格のメガネブランドを立ち上げようと思い至りました」
社会のためにお金が使われることは、自分自身の喜びに還元

フレーム棚の壁面にはピクシーを通して譲渡された保護犬の写真をディスプレイ
老眼鏡に限らず、普通のメガネやサングラスまで各種、需要があり、すぐさま人気に。運営は当初から動物保護団体のチャリティー(社会的救済活動)をベースに見据えてスタートしました。
「小さな動物保護団体はどこも資金繰りに苦労しています。ピクシーが自社で低額医療を施せているのもこのような連携があってこそ。ほかの団体にも私たちがメガネを介して得た利益を、物資や資金のかたちで援助しています」
お金によって欲しいものを手に入れるだけでなく、動物保護を介して理想の社会へと使われる。それは結局、自分自身の喜びとしても還元される。
“買い物は投票”という言葉を見聞きするようになってしばらくたちますが、日本でもチャリティーと動物保護団体の連携がひとつの選択肢として普及したら、一層その言葉の手ごたえと現実味が増すのかもしれません。

フェッチの精神を掲げたサイン
〈撮影/SHINO 構成・文/瀬高早紀子〉
フェッチ アイウェア
利益はすべて動物保護団体をサポートするどこにもないメガネブランド。フレームに紛失防止のためのブルートゥース機能を備えたメガネを開発するなど技術面でも注目を浴びる。
https://fetcheyewear.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです