(『天然生活』2025年12月号掲載)
玄関ホールに本棚をつくり、家族が集まる憩いの場に
千葉県大多喜町で「mitosaya薬草園蒸留所」を営む山本祐布子さん。イラストレーターの仕事に加え「mitosaya」では庭木の整備、ハーブティーやジャムなどのノンアルコールプロダクトの開発・製造に携わっています。
蒸留家で代表を務める夫・江口宏志さん、小学6年生の次女・紗也ちゃんと3人で暮らす自宅兼オフィスには、入ってすぐの玄関ホールに本棚が。2階へとつながる階段の壁面に木箱を積み重ねてつくった、江口さんお手製のライブラリーです。

1冊の本を手に会話が弾む祐布子さんと紗也ちゃん。1冊の本を共有して楽しむことも増えてきた
「恥ずかしながら、私、最近あまり本を読んでいないんです。だから今日は読書家の紗也ちゃんと一緒にわが家の本棚をご紹介できたらと思って。ここには、いまは寮生活を送っている長女も含めた家族みんなの本が並んでいます。ゆるやかにゾーニングされていて、手前から夫、私、一番上が子どもたちの本という感じですね」

壁にはナイジェル・ピークによるリトグラフや祐布子さんの切り絵、熊谷彰博の版画、古賀充の平面作品などが飾られている
玄関、台所、仕事場、庭。暮らしにいつも本がある
実は玄関ホール以外にも、さまざまな場所に本が置かれている一家の住まい。料理の本は台所の近くにあるほうが手に取りやすいからと、リビング・ダイニングの棚の中に並んでいました。
「mitosaya」を訪れる人たちのためにセレクトした本は、百葉箱の中に専用ライブラリーをつくって設置。増えつづける子どもたちの本は子ども部屋の収納棚に、スタッフと共有したい業務にまつわる本はオフィスにスペースをつくるなど、いまなお蔵書は増殖中だといいます。
「私たちの暮らしと本棚は自然に、でも密接に、関わり合っていると思います。同じ本を読んで話し合うこともあるし、何かを始めるときに本からヒントをもらうこともある。『mitosaya』全体でいえば、最近は庭に関する本がどんどん増えていますね。
先日新しく入ったスタッフが、こんなイメージで仕事をしたいと本を持ってきてくれたんです。アナログだけど、そこがいいな、気が合うだろうなってうれしくなりました」
自然の中で、本と暮らす。森が育つように、本棚が育っていく。家族と仲間が集う本棚は、まだまだ成長しているようです。

百葉箱の中に設置された本棚。森、植物、庭、虫、野菜、果物、スパイス、手づくりなど、「mitosaya」の世界観と重なり合うような言葉が並ぶ

園内に設置されている「百葉箱ライブラリー」も夫・江口さんによるDIY。「mitosaya」を訪れる人に読んでほしい本を収蔵し、貸し出しも行っている





