• みんなが大好きな定番弁当に、ちょっとしたひと手間をかけて。安定の味わいに新鮮さをプラスした、野菜たっぷりの新・定番弁当をワタナベマキさんに教わります。今回は、「しゃけ弁」をつくります。
    (『天然生活』2016年4月号掲載)

    しゃけ弁のレシピ

    ひと工夫
    しっとり食感の秘密は、焼く前に調味料をもみ込んだから。梅干しは風味づけでもあるけれど、防腐効果も期待しての採用です。

    画像: しゃけ弁のレシピ

    さけの梅ごま焼き

    梅の香りが食欲をそそる、技あり焼きざけ。たっぷりまぶしたごまの風味もたまりません。

    材料(1人分)

    ● 甘塩ざけ1切れ
    ● 梅干し1個
    ● 白炒りごま大さじ1
    ● 酒、みりん各大さじ1
    ● ごま油少々

    つくり方

     梅干しは種を取り、酒、みりんと合わせる。

     さけにをもみ込むようにしてなじませ、白ごまの半量を片面にふる。

     フライパンを弱火で熱し、ごま油をひく。を、ごまをふった面を下にして焼き、上面に残りの白ごまをふる。

     しっかりと焼き目がついたら裏返し、もう片面もこがさないようにじっくりと焼く。

    にんじんと焼きのりの玉子焼き

    お弁当に入っていると、なんだかうれしい玉子焼き。それがこんなかわいらしさなら、気持ちもグッと上がります。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 卵2個
    ● にんじん(5cm×3mm厚さの短冊切り)4枚
    ● 焼きのり約1/2枚
    ● てんさい糖小さじ1/4
    ● 塩ひとつまみ
    ● ごま油小さじ1/2

    つくり方

     卵はほぐし、てんさい糖、塩を加えて混ぜる。

     玉子焼き器を中火で熱してごま油をひき、の卵液の量を入れて広げる。

     玉子焼き器の大きさに合わせて焼きのりをのせ、奥側に、にんじんを並べ入れ、にんじんを芯にして巻く。

    画像: にんじんは薄切りにして、火が早くとおるように。くずれないように芯にして、一気に巻き上げる

    にんじんは薄切りにして、火が早くとおるように。くずれないように芯にして、一気に巻き上げる

     残りの卵液を3回に分けて入れ、巻いていき、焼き上げる。

    おかずの素を使用
    ひじきの五目煮と菜の花の辛子あえ

    ゆでた菜の花とさっとあえるだけで、栄養満点の一品が完成。菜の花のほろ苦さが、大人の味です。

    材料(1人分)

    ● ひじきの五目煮(下参照)大さじ3
    ● 菜の花3本
    ● ごま油小さじ1/2
    ● 塩少々

    つくり方

     菜の花は根元のかたい部分を切り落とし、1分ほど塩ゆでする。ざるにあげ、冷まして食べやすい長さに切る。

     をひじきの五目煮と合わせ、ごま油、塩を加えてあえる。

    かぶとしそのマリネ

    火を使わずに、ささっと仕上がるお手軽なおかずは、忙しい朝に大助かり。しその香りでさっぱりと。

    材料(つくりやすい分量)

    ● かぶ1個
    ● 青じそ2枚
    ● 塩小さじ1/4
    ● 酢小さじ1

    つくり方

     かぶは3mm厚さの半月切りにし、塩を加えてもむ。出てきた水分をぎゅっとしぼる。

     せん切りにしたしそをに加え、酢を加えてあえる。

    おかずの素
    ひじきの五目煮

    季節のゆで野菜と組み合わせれば、ボリュームアップ。梅干しが入っているので、保存性も高くなっています。

    画像: 保存期間:冷蔵庫で3~4日

    保存期間:冷蔵庫で3~4日

    材料(つくりやすい分量)

    ● ひじき(乾燥)30g
    ● 大豆の水煮100g
    ● にんじん1本
    ● こんにゃく(下ゆでしたもの)1/2枚
    ● しょうがのせん切り1片分
    ● A
    ・酒大さじ2
    ・みりん大さじ1
    ・だし250ml
    ● しょうゆ大さじ2
    ● 塩小さじ1/4
    ● ごま油小さじ1

    つくり方

     ひじきはたっぷりの水に8分ほどつけてもどし、ざるにあげる。

     にんじんとこんにゃくは細切りにする。

     鍋を中火で熱し、ごま油を入れて、しょうがを炒める。香りが立ったら、にんじん、こんにゃく、大豆を加えて炒め合わせる。

     にんじんがしんなりしたら、Aを加えてひと煮立ちさせ、あくを取って弱めの中火にして落としぶたをし、8分ほど煮る。

     しょうゆと塩を加え、落としぶたをして、さらに汁けがなくなるまで5~6分煮る。

    ※ ※ ※

    「今回は、基本の味つけはあまり変えずにカレー粉や梅干しなどで風味をプラスしたものが多いのですが、本当に小さなひと手間で、おいしさのイメージががらりと変わるのが面白いですよ」と、ワタナベさん。

    味わいはもちろんですが、それらの食材には傷み防止の効果もあるので、まさに一石二鳥。よく、「お弁当だから、傷まないように味を濃いめにしなくちゃ」などと考えがちですが、定番おかずのアレンジとして、こんな防腐効果のある食材を上手に取り入れれば、ヘルシーな薄味でもおいしいお弁当おかずをつくれるのです。



    <料理・スタイリング/ワタナベマキ 撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美>

    画像: おかずの素 ひじきの五目煮

    ワタナベマキ(わたなべ・まき)
    季節感あふれる、体にやさしいレシピで人気。その手順はシンプルで、それでいて新鮮な味わいがある。近著は『料理家ワタナベマキが家族のために作るごはん』(主婦と生活社)。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです


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