(『おしゃれな20人の年間クローゼット計画』より)
色を利かせて伸び伸びおしゃれ
撮影中、カメラの前に立つ楓美さんを見て思いました。
「ああ、服もこんなふうに着こなしてもらったら幸せだろうな~」
もちろん、職業柄、服を着ることに関してはプロフェッショナル。似合って当然です。
でもプロポーションだけでは醸し出せない「しっくり感」が、楓美さんの服装には表れています。
服と小物のバランスのとり方、色や柄の組み合わせ方がとても素直な感じで、でも、ありきたりではない工夫がちょっとあって、楽しいのです。
「心がけているのは心地よさ。素材はもちろん、形や色など……。そして、長く着ていけるかどうかも服を選ぶときのポイントです」
最近取り入れているのは靴下。
「冷えとり健康法を実践していて、特別なとき以外は、春夏秋冬、靴下を4枚、重ねばきしています」
パンツの裾をロールアップしたり、短めのスカートと合わせたり、靴下がポイントとなるような着こなしも、たびたび登場。
いまはカラフルな重ねばき用の靴下もたくさんあり、おしゃれの幅がぐっと広がったと、うれしそう。
「でも、お出かけのときは、無理して重ねばきにしないんです」
そこは臨機応変にバランスよく、おしゃれを楽しむ楓美さんでした。
楓美さんの ふだんの装い
ワンピースを多く取り入れた女性らしいカジュアルなスタイルは柔らかな雰囲気の楓美さんそのもの。
autumn 秋
赤い色の洋服には不思議と元気になれる力が
ソックスや服のブランド「アンティパスト」のワンピースは、袖がストッキングのような伸縮素材になっていて着心地抜群。
ときどき着たくなるという赤のカーディガンを羽織って明るい雰囲気に。
ポイントは、ドイツの骨董市でおじさんから譲ってもらった丸眼鏡
winter 冬
冬はボリュームの加減が大事です
「ミナ ペルホネン」のコートは凹凸のある素材感で、黒だけど重くなりすぎない。
全体がタイトなシルエットなので、「スニュウ」のボリュームのあるマフラーをぐるぐる巻いても、すっきりとしたバランス感。
「冬はコーディネートが暗くなりがちなので」と、ここでも赤を差し色に
spring 春
冷えとりならではの靴下おしゃれ
白のグラデーションでまとめた上級おしゃれ。
ローブ型のコートは「オーガニック ハンドルーム」。
ワンピースとして一枚でも着られます。
靴下は「ハク」のもの。
冷えとりの重ねばき用としてカラフルな靴下が種類豊富にあり、楓美さんの冷えとりおしゃれの幅が広がったそう
summer 夏
アウトドアでもガーリーな雰囲気に
クロスステッチがかわいいエプロン型ワンピースは、人からのいただきもの。
「ユニクロ」のデニムを合わせて元気よく。
かごは楓美さんがリメイク。
東欧の蚤の市で買ったかごに、レースとリネン生地を縫い付けた。
「オーガニック ハンドルーム」のサンダルに「ハク」の靴下を重ねばき
楓美さんの お出かけの装い
特別な日だからと気張らず、ふだんの延長上にあるスタイルを。少し女性らしさ多めの上品シック。
autumn 秋
友人の結婚式に選んだのは異素材ミックスな服
「キャベジズ アンド ローゼズ」のワンピースは、上はニットで下は光沢感のあるナイロンという異素材の組み合わせが楽しい。
自作のコットンパールの大ぶりなネックレスが華やかさを添えて。
ワンストラップシューズは「トリコ・コム デ ギャルソン」
winter 冬
魔法アイテム、レースのペチコート
カジュアルにも着られる「SM2」のワンピースも、裾から「パドカレ」のレースペチコートをのぞかせれば、一気にお出かけムードに。
コートではなく「ファーファー」の大判ストールを羽織ることで、冬のお出かけスタイルも軽やかに。
「ミナ ペルホネン」のブーツは抜群の温かさ
spring 春
展示会に行くときの上品おめかし
「トワヴァーズ」のブラウスは薄いシフォン素材、レースのあしらい、丸い衿などのディテールがロマンチック度満点。
「キャピタル」のキュロットスカートを合わせて、甘くなりすぎない大人のガーリースタイルに。
フリーマーケットで買ったレトロバッグを合わせるのが楓美さん流
summer 夏
カフェにお出かけのお嬢さんスタイル
クラシカルな雰囲気のワンピースは古着屋で購入。
大きめのボタン、斜めポケット、細ベルトなどにレトロ感が漂う。
「レペット」のヌーディなTストラップサンダルを合わせて、思いっきりエレガントに。
クラッチバッグはコットンヤーンをかぎ針で編んだ楓美さんの手によるもの
〈撮影/中島千絵美 取材・文/鈴木麻子〉
楓美(ふみ)
雑誌、広告などでのモデル活動とともに、手芸家としても活動。著書に『楓美のかぎ針で編む、かわいいもの』(日本ヴォーグ社)がある。
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