豊かさを模索し、出合った循環型のライフスタイル
読者の皆様、はじめまして。連載『アラサー女子のまるごとケア』を書かせていただききます、都築知美と齋藤佳菜子と申します。
私たちが書かせていただく連載では「セルフケアからはじまる地球ケア」をテーマに私たちの日常や経験を気軽に楽しくちょっと真面目にお届けします!
「忙しいなぁ、疲れたなぁ、このままでいいのだろうか。。。?」
「地球のこと環境のことに配慮した生活が大事なのもわかるけど、何だか難しそうだしお金も手間もかかりそうで出来ないな〜」
こんな気持ちがふと過ぎって今の生活に疑問を感じている人って少なくないと思うんです。
私たちも首都圏で育ち都内で社会経験をしてきました。正直、身も心もボロボロだった時期があります。
そんな私たちが「豊かに生きるとは何だろう?」と模索し、出合った循環型のライフスタイル。
自然と共に暮らしながら活動・実践する人々に出会い、彼らの暮らしを経験させてもらいました。
「セルフケアは地球のケアそのものだ!」と気づき、労ることが必要だと感じていた自分自身と地球に対してやさしい選択を、都会の暮らしで始めています。
いのちへの思いやり by 知美
はじめまして、都築知美と申します!
「豊かに生きるとはどういうことだろう?」と私が考え始めたきっかけは、2011年初海外でカンボジアに渡航したことでした。最初の訪問先は首都プノンペン近郊のスラム。
ゴミ山で暮らしている人々の姿や異臭放つ混然としたその空間に圧倒されながらも、私の目が捉えて離さないものがありました。
それは、子供たちのキラキラとした瞳です。
買ったばかりの一眼レフで夢中になってその瞳や笑顔を写し続けました。心がみるみる洗われ喜びで満ちていったことを覚えています。
その一方で、内戦やポル・ポト政権下の傷跡を目撃するたび胸が締め付けられ「数字で表すのは簡単だけれど、その数の分だけ生きたストーリーがあるんだ」と気付かされる経験もしました。
「いのち」への思いやりが連鎖し合う心豊かな未来を
その後、東日本大震災や鬱・自死など日本の社会問題を身近に経験し、いのちや人生について考える時間が増えていったように思います。
同時に、知識不足ではじめた体質改善により全身の皮膚が崩壊する経験をして心も体も調子が悪い時間を約6年間過ごしました。
7年前、自身も鬱診断を受け休養。
苦しい時間でもありましたが心身の健やかさを見直し、沢山のサポートを受けながら「自分を知る」という気づきと学びの時間でもありました。
医療・セラピー・食事方法・暮らし方・心の在り方・メディテーションなど多角的な知恵やパワーと出会って自分への理解や信頼が深まったように思います。
「自分に思いやりのある選択をする」ということが不調の改善に繋がっていくと体感した時間でもありました。
2019年春からワーキングホリデービザを利用しオーストラリアに1年間滞在しました。
社会意識の高い国民性が象徴されるかのようにスーパーの商品も健康と地球に配慮されているものが沢山並んでいました。
とくにオーガニックで有名な街バイロンベイは、自然を愛し敬う文化が根付いていました。
通り過がりに目が合うと「Hello ! 」と微笑んでくれる心豊かな人々。
カンボジアの子供たちに夢中になった時のように、バイロンベイに暮らす人々と心通わす瞬間はあたたかい気持ちになりました。
帰国後、千葉県いすみ市にある昔ながらの暮らしを実践している "ブラウンズフィールド" でお手伝いをさせていただきました。
ここでの暮らしに溶け込んでいくと、「いのちの循環の一員」であることを思い出していく自分がいました。
半年間のイベントスタッフを終えた頃には「生きとし生けるものの『いのち』を丸ごと大切にして勿体ないことのしないようにしていきたい」という想いが芽生え、日々の選択や人間関係も変化したように思います。
『いのち』への思いやりが連鎖し合う心豊かな未来を築けるよう、この場を借りて沢山の経験や想いをシェアさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします!
都築知美(つづき・ともみ)
1991年東京都生まれ。文学部哲学科卒業。ライター・アクセスバーズプラクティショナー・フォトグラファー(趣味)。心身の不調を経験し、心・体・魂をまるごと扱う"ホリスティック"という視点に出会い共感する。いのちに寄り添う生き方として非暴力コミュニケーション・セルフコンパッション・マインドフルネスを実践している。全てのいのちが生き生きする未来を願ってパーマカルチャーを実践する人々からサスティナブルな暮らしを学んでいる。
つながりの輪 by 佳菜子
はじめまして、斎藤佳菜子と申します。
私は20歳から東京で美容師として突っ走ってきた人間で、正直これまで「豊かさ」のことはもちろん、自分に目を向ける余裕すらありませんでした。
この仕事をしていると、髪に触れながら心に触れる瞬間もたくさんあります。
外見からのアプローチや対話の中でお客さんが明るく、癒やされていく喜びを感じながらも、どこかやりきれない無力さもありました。
それは私の本心を映しているような感覚でした。今思うと、自分を見つめる時間が欲しかったのかもしれません。
ウズベキスタンで出合った、豊かに暮らす心の在り方
28歳の時、急に思いたってウズベキスタンという国にボランティアに行く事を決め、美容師という仕事を現地の人と分かち合いながら楽しむような活動をしていました。
私から見たウズベク人は『素直で、心隠さず、ありのままに生きている。そして互いのありのままさを受け入れている。』という印象でした。
生き生きと夢を語る18歳。パンを焼くたび届けてくれるご近所さん。「ありがとう」と気持ちよく席を譲られる女性たち。
ありのままでありながら『受けとることと与えること』の循環の中にみんなが生きていて、人と人のつながりが暮らしを支えていると感じました。
そんな暮らしの中にいると、本当にウズベク人の心の在り方を羨ましく思いました。
「豊かだなぁ」うまく言葉にできないけれど、私の中で何かが満たされていく気持ちがありました。
そこでの体験は、今まで日本で培ってきた経験や積み重ねてきた価値観がしまってあった大切な箱を少しずつ紐解いていくようなものでした。
その一方で、私の住んでいたウズベキスタンの首都では、高層ビルや商業施設の建設がものすごいスピードで進んでおり、その景色に寂しさを感じていました。
「どうか人と人との関わりが無くなりませんように」と願うような気持ちでした。
豊かさは「いのち」のつながりの輪の中に
今年の4月に帰国してから、まだ言語化できないぼんやりとした「豊かさ」を求めて、自然栽培や有機栽培の農家さん、フォレストガーデンやパーマカルチャーなど循環型の暮らしをしている人々のところへお手伝いをしながら滞在させてもらいました。
すると、ぼんやりとしていたものがはっきりと見えてくる感覚がありました。
目の前にある自然、隣にいる人、自分自身の『いのち』。それがすぐ近くにあって、その身近なものを大切にする当たり前さと、私たちすべての人に備わっている等身大の思いやりを感じました。
全ての『いのち』はお互いに助け合い、支え合い、時には迷惑をかけながら、地球という輪の中で生きていると思います。
豊かさとはきっとそのつながりの輪の中で育まれていくものかもしれません。
地球にも隣にいる人にも自分にも思いやりのある選択や心あたたまる体験を発信していければと思います。どうぞよろしくお願いいたします!
斎藤佳菜子(さいとう・かなこ)
1990年生まれ。埼玉県出身。日本美容専門学校卒。美容師・アクセスバーズプラクティショナー・非暴力コミュニケーション実践者。2011年から8年東京のサロンでの経験を経て、2019年1月からウズベキスタンへ。美容学校で技術の普及に努めながらも、ウズベク人の生き方に感銘を受ける。2020年4月に帰国後、循環型の暮らし、農業、セルフケア、食養などを経験。人の内面の健やかさと美を学びながら、どこでもできる豊かな暮らしを模索中。
さいごに & 次回は・・・
こんなアラサー女子の等身大の想いを楽しんで読んでいただけたら嬉しく思います!
次回は私たちが毎月通い詰める『パーマカルチャーランチ会』について書かせていただきます!
パーマカルチャー? 都会で自然を感じるランチ? どうぞお楽しみに〜!!!