(『季節を味わう癒しのお菓子』より)
私のなかのお菓子
何も手につかない日―そんなときは、お菓子をつくってみてはどうでしょう。ぼやぼやとした気分でいたとしても、お気に入りのレシピに頼れば、お菓子は静かにあなたにこたえてくれます。材料を計り、混ぜ、型に流し、でき上がりを待つ。
これはあなただけの実験で、そこには時間という友達が寄り添ってくれる贅沢があります。生地が膨らんでいく様子、焼き上がりが近づくほど漂う香りに、気分は上昇し、期待は部屋をも飛び越えていきます。
そして最後には、だれかと分け合える素敵なギフトになるのです。
カシューナッツとタイムのクッキーのつくり方
材料(つくりやすい分量)
◎ カシューナッツ | 40g |
◎ 米油 | 60g |
◎ 水 | 10mL |
A | |
◎ 薄力粉 | 150g |
◎ きび砂糖 | 30g |
◎ 塩 | 1g |
◎ タイム(ドライ) | 1g |
下準備
カシューナッツは170℃のオーブンで8分ローストする。オーブンを160℃に予熱する。
つくり方
1 カシューナッツをミキサーで細かく砕く。ボウルにAとともに入れ、ゴムべらでまんべんなく混ぜる。
2 1に米油と水を一度に加え、ひとかたまりになるまでゴムべらで混ぜる。オーブンシートで上下をはさみ、めん棒で25cm四方にのばす。ラップに包んで冷蔵庫で10分休ませる。
3 オーブンシートを1枚はずし、3.5×5cm程度のひし形に切り込みを入れ、160℃に熱したオーブンで25分焼く。焼き上がったら、すぐに切り込みに沿って切り分ける。
<撮影/公文美和 スタイリング/千國奈々子 原稿整理/福山雅美>
※本記事は『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)からの抜粋です
長田佳子(おさだ・かこ)
菓子研究家。三重県生まれ。オーガニックレストラン、老舗フランス料理店などで修業ののち、2015年に独立。ハーブやスパイスなどを使いながら、人を癒せるような、滋味あふれるお菓子を、日々、研究している。また、雑誌『天然生活』にて、「はじめての、やさしいお菓子」を連載中。
『季節を味わう癒しのお菓子(天然生活の本)』(長田佳子・著/扶桑社・刊)
foodremedies(フードメディ)の屋号で、心と体にやさしいお菓子を提案する長田佳子さん。「remedies」という言葉には、癒すことや治療する意味があります。季節に寄り添い、ハーブの香りやスパイスの効能をうまく使いながら、体に負担をかけない、やさしいお菓子を提案します。