• マイクロプラスチック問題などの環境破壊を引き起こしている原因のひとつが、私たちの「過剰消費」です。そんな暮らし方を変える方法のひとつが、いま世界で少しづつ広がっている「買わない暮らし」です。「買わない」というとちょっとハードルが高く感じますが、自分には不要なモノを必要な人にゆずりあうことを少しづつ実践していけばいいのです。そんな暮らしを実現するための7つのステップをご紹介します。
    (『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』より)

    「買わない暮らし」が深めてくれる人とのつながり

    画像1: 「買わない暮らし」が深めてくれる人とのつながり

    できる範囲で、なるべく長く、モノを買わずに過ごしてみましょう。まずは1週間。きっと結果にびっくりしますよ。

    中には「いつの間にか1年続けてしまった!」という人もいます。長期間続けられた人たちを見ていると、みんな共通項があります。

    まず、工夫が上手。そして、他者としっかりつながり、マーケティングのワナを健全に見据えています。そこにあるのは「何不自由ないゆたかな暮らし」。買わないからと言って、物質的な不足はありません。

    画像2: 「買わない暮らし」が深めてくれる人とのつながり

    モノを自分ひとりで「購入=専有」せず、コミュニティの力に頼るので、家族、友人、隣人たちとの関係性にも大切な意味が生まれます。

    いちばんの秘訣は仲間をつくること。だれかを誘って一緒に取り組み、電話やメールで連絡を取り合いましょう。1週間に一度、一緒にコーヒーを飲むのもいいですね。

    一緒に取り組む仲間の存在は、インスピレーションの面でも、風通しの面でも(ガス抜きなど!)、とても重要です。近所に住んでいなくても大丈夫。大切なのは「一緒に取り組むこと」。

    画像3: 「買わない暮らし」が深めてくれる人とのつながり

    「1人で取り組む方がいい」という人には、日記をつけることをおすすめします。チャレンジでうまくいったこと、思い出、感じたこと、アイディア。それらを順に記録してみてください。

    1人で取り組む場合でも、仲間と取り組む場合でも、結果を振り返ることで変化がしっかり定着し、広がっていくはずです。

    「買わない暮らし」を実現する7つのステップ

    ルール

    ルールはシンプルです。できる範囲で、なるべく長く、何も買わないようにするだけ。7つのステップは次のとおりです。

    ステップ1 ゆずる

    逆のように聞こえるかもしれませんが、「買わない」ためにまずすべきことは、「ゆずる」です。ゆずり、差し出し、贈ることで、そのあと自分のほしいものが出てきたとき、格段に探しやすくなります。

    ステップ2 受け取る

    モノをお金に換算せず、すべてを等しい価値と見なせば、立場の違いは一切なし。だれもが平等です。人に尋ね、ゆずってもらうことは、健全なギフトエコノミーに欠かせません。

    ステップ3 リユース&リフューズ

    「リユース」は再利用、「リフューズ」は断る、買わないということ。日用品を買わずに済ませるためには、楽しんで続けて、リユース、リフューズするものを増やしていくのが大切です。

    ステップ4 考える

    「買いたい」という気持ちの裏に隠れた欲求を探ります。条件反射的な買い物を避け、買い物以外の方法で必要なものを手に入れられるようにしていきましょう。

    ステップ5 つくる&なおす

    内なる創造性を引き出しましょう。そして、ごみや無駄を減らし、買い替える前にあらゆるものをなおせる自信を身につけます。

    ステップ6 分かち合う&貸す&借りる

    私たちはこんなにもたくさんの道具を持っていて、それらは実際あると便利なわけですが、どれも1年のほとんどはクローゼットやガレージの中に鎮座したまま。いっそこれらを「地域資源」として捉えなおし、プライベートコレクションとして貸し出してみたらどうだろう?

    ステップ7 感謝する

    感謝の気持ちを伝えることで、みんながつながり、さらなるゆずり合いが生まれます。

    画像: ルール
     

    本記事は『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』(青土社刊)からの抜粋が元になっています



    リーズル・クラーク(著者)

    米ワシントン州在住。映像作家・ディレクターとして、「ナショナルジオグラフィック」や「NOVA」、BBC などの科学番組やドキュメンタリーを数多く制作。エミー賞をはじめ、受賞歴多数。その傍ら、ネパールの山村の子どもたちのために私設図書館をつくるなど、現地の子どもたちの識字力向上にも取り組む。パートナーの登山家ピート・アサンズ、ふたりの子どもたちとともに、ヒマラヤをはじめとする世界各地を旅する。

    レベッカ・ロックフェラー(著者)

    米ワシントン州在住。ソーシャルメディアコンサルタント。市民運動、非営利団体主宰、文筆業などを経て、リーズル・クラークとともに「買わないプロジェクト」を立ち上げ、ギフトエコノミーの一大ムーブメントを巻き起こす。ふたりの娘とともに、鶏を飼い、野菜を育て、花を植え、島暮らしをたのしんでいる。エバーグリーン州立大学卒業。

    服部雄一郎(訳者)

    高知県在住。役所でごみの仕事に従事したのち、カリフォルニア、南インドを経て、山のふもとに移住。ブログ「サステイナブルに暮らしたい」(sustainably.jp)ほかSNSや各種媒体でエコロジカルな暮らしについて発信。訳書に『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)、『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)ほか。カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院修了(修士)。

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    画像: 「買わない暮らし」を実現する7つのステップ|ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方

    『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』
    (リーズル・クラーク・レベッカ・ロックフェラー=著 服部雄一郎=訳 青土社)

    『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』(リーズル・クラーク・レベッカ・ロックフェラー=著 服部雄一郎=訳 青土社)|amazon.co.jp

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    ヒマラヤの小さな村で「見返りをもとめない贈与」=真のギフトエコノミーに出会った著者は、友人と二人で不用品などのゆずり合いサイト「買わない暮らし」を立ち上げました。
    そしてサイトはまたたく間に全米から世界各地に広がり、一大ムーブメントを引き起こしました。この運動は単にエコというだけではなく、隣人とのつながりも深めるという意味で、新しいライフスタイルを提言しています。
    コロナ時代だからこそ求められる、読むだけで簡単に始められる、地球とお財布にも優しい「新しい生活様式」がここに!



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