模様替えの延長上にあるDIY
今月号の特集は、「収納にひと工夫ある家」。毎日を心地よく暮らすための“収納の工夫”をご紹介しています。
そのなかの記事のひとつ、自分の思い通りの形やサイズでつくるDIY収納で、居心地のよい空間を手に入れた3組の実例「DIY収納で心地よく」。
表紙となった写真は、その記事にご登場いただいた、「CHICU+CHICU5/31」のデザイナー・山中とみこさんのご自宅の一枚です。
「わが家はふだんから気軽に模様替えをしていて、DIYもその延長線上にある気がします」
そう話すとおり、お子さまの成長や、自身や家族の仕事や働き方で変わるライフスタイルに合わせ、リフォームやDIYを繰り返してた山中さん。
その素敵な暮らしぶりから、何度も『天然生活』の誌面にご登場いただいていますが、今回の表紙になった茶器コーナーの、約4年前の様子を『天然生活』で取材していました。
こちらのスペースには、最近始めたという中国茶の道具や器を飾りながら収納していまが、実は、もともとは洋服を収納していた場所。
その様子が、こちら。
Before
以前のクローゼットにはすべての服を収納するのは難しかったため、白い服は外にかけて収納。後ろににはストールやかごを置いていました。
そして、いまの様子がこちら
After
別の場所で使っていたボックス棚や小引き出しを活用しながら、棚板をDIYで数段設置しました。
上方には、洋服をかけていたころの黒のポールハンガーが残っています。
誌面でもご紹介していますが、こちらの棚板は、リビングにつながる下がり壁を解体した際に出た廃材を再利用したもの。
Before
ビンテージの窓枠をはめ込んだ下がり壁は、奥のリビングと手前の寝室をさりげなく区切ってくれる役目も。
来客の目も気にならない場所なので、山中さんとしては「ちょっと照れてしまうような」かわいい雑貨も飾っていました。
After
アトリエを構えたことや、昨今の状況で、お客さまを招く機会がぐんと減ったこともあり、リビングと寝室との行き来がしやすいように、下がり壁を解体したそう。
変化することを常に楽しんでいる山中さん。
「下がり壁がなくなったら、寝室からリビングを抜けて外の景色が一直線で見えるようになって。それがいまはとても心地いいんです。下がり壁を解体したことで気づけた景色ですね。」
住まいはもちろんのこと、心も一緒に変化しつづけています。
〈撮影/中垣美沙(2021年)・千葉亜津子(2017年)〉
※山中とみこさんの記事「思い描いたことを形にDIY収納でここちよく」は、『天然生活』2021年10月号、P.40~41に掲載されています。
山中とみこ(やまなか・とみこ)
大人の普段着を扱う「CHICU+CHICU5/31」(ちくちくさんじゅういちぶんのご)のデザイナー兼主宰。リネンやコットンを中心にしたワンサイズ展開の大人服のほか、布小物やベビー服なども手がける。著書に『時を重ねて、自由に暮らす』(エクスナレッジ)がある。
インスタグラム:@chicuchicu315