軽くて、着心地が楽で、おしゃれであること。
「もう若者じゃないので、窮屈なのは嫌なんです(笑)。軽くて、着心地が楽で、おしゃれ。そうすると素材や縫製が大事に」と山井さん。
今は、国内の生産者やいい職人のいる工場とやりとりをしているそうで、パリにいたころより、何事もきちんとしていてスムーズだと笑います。
「ほんと、パリだったら、どんなに急いでいても休暇の予定が最優先。驚くような理由をつけて、約束を破られたりして(笑)。でも、そういうことも含めて、やっぱりパリという街が好きです。またあそこへ行って、いろんなものを見たいと思ってしまいます」
毎シーズンのコレクションに登場するリバティプリントも、パリにいた当時に出合ったものだとか。
リバティプリントは元々はイギリスのもの。山井夫婦はパリ在住時に、魅力的な髭の主人がいるパリのエージェントから買い付け、その後もずっと関係が続いているそう。
「大人に小花プリントはどうかと思っていたけれど、色も柄も魅力的なものがたくさんあるんです」
パリで開かれる素材の見本市は、世界中からさまざまなものが集まり、それはそれは魅力的なのだとか。
「今はもうパリも東京も変わらないのだと思うけれど、一応、ブランド名にもパリが入っていることだし、ほんのりと、パリの匂いは残したいですね」
綿入りの水玉コートは、軽くておしゃれ、を実現したお気に入り
数年前に発表したコートは薄く綿が入っていて、軽いのにとても暖か。
「常連のお客様にも、このコートは人気でした。私も今もよく着ています」
光沢あるシャンタン素材に水玉のフロッキー加工で、黒も楽しい表情に。
Tシャツはアクセサリーでちょっと遊ぶのが好バランス
以前に買った〝H&M〞のコラボTシャツに古着のカーディガン。パリで買ったパールのネックレスをプラス。
「アクセサリーは好きだけれど、ドレスアップというより、カジュアルに遊ぶために使います。Tシャツだけだと寂しいので」
実はサテンのサンダルもリボン。ちょっと可愛い着こなしに。
「パリの人たちは頑固だけど魅力的。やっぱりあの街の人や雰囲気が好きなんです」と話してくださった山井さん。詳しいお話は『これからの私が似合う服』VOL.3に掲載しています。
<撮影/前田晃>
山井自子(やまい・よりこ)
アクセサリーブランドの企画、プレスを経て渡仏。パリにて夫の孝氏と“t.yamai paris”を1995 年に立ち上げる。15年以上の間、パリで服作りを続け、2010年に東京に居を移す。現在も国内外の素材、国内の工場での縫製にこだわりつつ、パリの匂いが残る服が好評。
◇ ◇ ◇
大人がときめく毎日のおしゃれ満載のムック第3弾!
表紙は女優の戸田恵子さんが、大好きなデニムスタイルで登場。特集は、大人のおしゃれ達人のこだわりの私服スタイルをたっぷり披露。さらに1枚で決まる「万能ワンピース」や、大人のイマドキ買い物の仕方を徹底取材。また、特別付録として、ガーデンデザイナーの吉谷桂子さん初の「花とガーデンカレンダー」がついています! 見ているだけで癒される写真の数々。1冊で気持ちが上がる大人女性必携の1冊です。