(『天然生活』2018年4月号掲載)
中身はバラバラでも、おそろいの箱にいれれば整然とした印象に

部屋そのものも、大きな四角。余計なものは箱にしまってすっきり
多肉植物専門店「solxsol(ソルバイソル)」を運営する松山美紗さんは、昔から、すっきりクールなインテリアが好み。ユーモラスなフォルムは多肉植物にまかせて、家の中はできるだけ、かっちり四角くそろえたいといいます。

いつも目に入るリビングスペースの棚には、お気に入りのミリタリーボックスを整然と並べて。子どものおもちゃは、下段が定位置
「昔から、なぜか箱が大好きなんですよ。いただき物をしたときは、中身を開ける前に、しげしげと箱を見つめてしまうくらい」
箱が素敵なのは、連続性を保てるところ。たとえ入っているものはバラバラでも、おそろいの箱に入っていれば、それだけで、きちんと整った印象になります。

多肉植物の鉢も、同じもの、またはサイズ違いでそろえれば統一感が出る
「ありがたみがいっそう深まったのは、出産後。育児用品やおもちゃ特有の色の洪水に辟易したんですが、自分好みの箱にしまえば、一瞬で空間がリセット。しかも、子どもにとっても‟お片づけ”が簡単だし、いいことずくめでした」
ちなみに、‟整然と見える”ためには、ある程度、数をそろえることも重要。
松山さんは、気に入ったものを、「あるだけ全部ください」と買い占めることもしばしばです。とくにビンテージの箱は、一期一会。べつに、いま使う当てがなくてもいいのです。きっといつかは使うし、重ねて置いたり、大きな箱に入れたりすれば、場所ふさぎにもなりません。むしろ、味わい深い箱そのものが、インテリアになります。

毎年買う「cimai」のシュトーレンは、年ごとに変わる限定ボックスが楽しみ。「ホリグチナオコさんのコラージュが素敵」
小さい箱には細かいもの、大きな箱には、ざっくりと出し入れできるもの。そんなふうに使い分けて、家の中は箱だらけ。ふたを閉めれば、少々、中がごちゃついていたって、涼しい顔でいられることが箱収納の長所。
たしかに、ときには、何が入っているのかわからなくなることもありますが、「ふたを開けて確かめる」そのひと手間が、箱好きにとっては、むしろ楽しみ。
だって、まるでプレゼントを開けるときのような、ちょっとしたワクワクを味わえますから。

数年前に建てた新居は、大きな四角い箱をイメージ。「箱のような家で、たくさんの箱を重ねて、並べて、暮らしています」
〈撮影/飯貝拓司 取材・文/福山雅美〉

松山美紗(まつやま・みさ)
多肉植物専門店「solxsol」クリエイティブディレクター。フラワーアレンジの経験を経て、多肉植物の魅力に目覚める。
http://www.solxsol.com
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

▶【PR】フラワースタイリスト・平井かずみさんの「すこやかな新習慣」いつでも好奇心を大切に“ご機嫌な私”をつくる

▶【PR】フラワースタイリスト・平井かずみさんの「すこやかな新習慣」いつでも好奇心を大切に“ご機嫌な私”をつくる

▶春の楽しみ「山菜」の下ごしらえ12選|3月のおすすめ記事