3度のメシと猫が好きな漫画家、大盛のぞみさんの「sippo」での連載をまとめた初の猫4コマ+エッセイ『やっぱ猫じゃけぇ』(扶桑社)から、「老いて性格が丸くなった長老猫、岩海苔」を公開。大盛家のナルシスト猫、岩海苔の変化とは?
耳も目も鼻も悪くなってきてる岩海苔だけど、「この子どんどん人間に近づいてるな」と最近よく感じます。
我が家にきたときすでに11歳。波乱の人生を送ってきたせいか、悟ったようなところのある岩海苔だけど、普段の暮らしでは持ち前のワガママさやヤンチャさが前面に出ていて「やっぱ猫じゃけぇ」という感じだったんです。
でも、今は人間のしゃべっている言葉や意味を理解して聞いているなあ、と感じることが多々。
「岩ちゃん、腎臓が悪くなっとるからね、こっちのご飯を今日から頑張って食べてみて」と言って差し出してみた餌をカリリと食べてくれたときは、私が心配している気持ちをわかってくれてるんだな、と感無量に。
味覚や嗅覚が衰えてきて何でも受け入れるようになったのもあるかもしれません。
昔は気に入らないご飯なんか出そうものならお皿をひっくり返し、オシッコをラグに放出するような子だったのに、とんでもない変化です。
丸くなってきた岩海苔の変化を喜びつつも、ちょっと切ない気持ちもある私だけど、すべては老化ではなく成長と思おう!と心に決めてます。